踏切 電車 向こう側

相坂 舞雉

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【2】私

(17)私は転校生

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『初めまして。東京から来ました、——です。よろしくお願いします。』


教室には見慣れない顔しかなかった。

見慣れない学校

見慣れない教室

見慣れない同級生。


不安な気持ちをどうにか悟られまいと見慣れない先生に言われるがままに
教室の窓側席へ着いた。

前後ろに左右。
知らない人に囲まれるのは緊張していたがどうにか左側は人がいない席に付けたみたいだ。
窓から見渡すだだっ広い校庭の端には木々が立ち並び中々の景色だ。
そこそこ高い山道の途中に立つこの学校は夏だが涼しい風が立ち込め心地いい。

今日からこの学校で2年過ごすと思うと何故か寂しく感じられた。


唯一聴き慣れた授業と授業の合間に流れるチャイム。
それを機に静かに授業を受けていたクラスの同級生達は仲のいいもの同士で群れをなす。

群れから取り残された私は校庭を見続け時間が過ぎるのをただ待って座っていた。

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