踏切 電車 向こう側

【1】僕

(6)出会い出会われ

渋谷—————

ここに来るまでだいぶ苦労した。
東京駅で乗り換えて山手線に乗り
渋谷に着くのは昼前の予定だったけど、
色々な路線があったり
ショッピングモールかと思うような広い駅。
迷路のような構造はリサーチ通り

所見殺し！！！

何とか人に尋ねながら山手線を
見つけて渋谷に着いたのはもう夕方、、
理想では昼間の街並みをどうにか
写真に撮ってファミレスかどこかで
描き始めしたかったのだけれど。。

渋谷に着くや否やその
光景に圧巻されてしまい
かの有名なスクランブル交差点を数回行き来をしたり
駅前にある大きなCDショップで
地元にはなかった少しコアなアーティストのディスクを見つけて眺めていたりと
当初の予定や目標からだいぶズレてしまった。
辺りはすでに暗くなり始めてはいるものの人の数は昼前よりも
多くなり正直酔いそうになっていた。

少しお腹も空いてきたので
交差点がよく見える空中階に位置するファミレスに入ることにした。
そこからは人の流れがよく見え
ビルに食い込んだモニターのようなものがまさに都会を感じさせる。

頼んだハンバーグが来るまでと
言いつつ持参したスケッチブックと
愛用の鉛筆を手に取り
その目に見える風景を僕はその白紙の紙に
少し
また少しと
模写を始めた。





絵を描く事に集中しすぎると
周りや時間を忘れてしまいそんな僕を知っている母と父から
子どもの頃よく夕飯前に描くのはやめなさいと決まりごとを作られていた。
流石に今はもう大丈夫だろうと思っていたがどうやらまだその集中力は健在だったようで



描き終えた———

と一息つく頃にはハンバーグは冷めており街の人数もさっきと比べて遥かに
少なくなっていた。
もちろん帰りの新幹線もなく、

いただきますととりあえず冷めた
ハンバーグに手をつけながら
自分の描いた絵と目の前のガラス越しに見える街並みを眺めて


それを噛み締めてい———



『終わりましたか？』


た？———