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【2章】夏色
踏切の手前
しおりを挟むある日僕は恋を知った
その日から、いやその子を知った時から胸の中のモヤモヤは取れず
頭の中には常にその子がいて僕に微笑みかけた。
肩へかけた黒髪はサラリとしており
いつも周りに明るく笑顔を絶やさないその子は、何かと因縁をつけて僕に突っかかってきていたけど今思えば
痛みを隠そうとしていたか弱い君からのメッセージだったのかもしれない。
不意にテレビをつけるとそこにはいつもの通学路が映っていた。
その通学路に映っていたのは小学生になってから毎日のように通る駅の踏切。
なんせ田舎町の駅だ、酷くボロボロで
錆びており夜になるとどこかホラー映画に出てきそうな不気味なホームが立ち並んでいる。
彼女がいた———
いつものように美しい髪を肩まで下ろし
彼女のお気に入りであろう真っ白なワンピースを履いて
踏切の前に立っていた。
彼女はじっと踏切の前に立ち
テレビにいつもの通学路が映っているその理由を見つめていた
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