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そのろくじゅういち
調教済みの変態
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自分とサキトとの絡みの話を描けばいいと聞いた瞬間、運転手のクロスレイは顔を茹で蛸のように真っ赤にした。
「おっ、俺とサキト様のっ!?そ、そそそそんな事思った事なんて…で、でももし書けたら…ああっ、でもご主人様に当たるサキト様に対していやらしい感情を持っていると思われてしまう!はぁああああ、どうしよう!?どうしたらいいですかね!?」
一人で動揺して勝手に苦悩している運転手に、スティレンは「きっも!」とばっさりと突き放した。
「描きたきゃ勝手に描けばいいじゃない!大体、俺とあの人の絡みを俺に許可無く勝手に描いてたくせに、今更何言ってんの?よくこんなの恥ずかしげも無く描けたもんだね、あんたみたいな気弱そうでなぁんの経験もなさそうな童貞顔が!あんたみたいなのをムッツリって言うんだろうね、このド変態!」
サキト本人には言いにくいが、普通の一般人であろうクロスレイに対してはどこまでも文句を言える。しかも、彼はサキトの心を満たす薄い本を作成している張本人とくれば。
一体何冊もの薄い本を作成してきたのだろう。
気になるが、聞けば後悔しそうな気がする。
思いっきり罵倒してやったが、言われた本人はやけに嬉しそうに顔を綻ばせている。スティレンはぞわっと全身が悪寒に襲われた。
「な…何なの?あんた。俺、思いっきりあんたを罵倒してやったんだけど何その反応」
恍惚とした表情。
クロスレイの表情はまさにそれだった。
「んっふ、この子は怒られると嬉しいらしいの。それも気の強い子に絞られるのがとっても好きみたいなんだよね。罵倒されるのは、クロスレイにとってご褒美みたいなものなんだよぉ」
何故かうっとりするサキト。
お前がそうさせたんじゃないのかとスティレンはドン引きした。
目の前に居る黒いスーツの大男は、身をぞくぞくさせながら呼吸を荒げている。
「うわぁ…もう、何なの。あんた、このご主人様から調教済みな訳?怖いんだけどやめてよその顔」
「いやっ…そ、そんなつもりはぁ。でもっ、そんな目で見られると俺っ、ああっ…もう、たまらなくなってきますっ」
「じゃあどうしろって言うんだよ!鬱陶しいなぁ!…ちょっとサキト様!こいつおかしいんじゃないの!?」
もういい加減に帰って欲しい。
嫌気がさしてきたスティレンに対し、サキトは天使のような笑顔で「この子にとってこれが普通なんだよぉ」と言い放った。
黙っていれば優男系なのに、あまりにも変態的すぎてどうしようもない。
「もう、帰ってよ!大体、サキト様だって学校でしょ!いちいち本を見せに来なくていいから!」
「えー」
頰をぷっくりと膨らませるサキト。
「じゃあいつかこの本みたいなエッチをしてよね、スティレン。当然僕が攻のほうね!」
「絶対嫌です!するんならこの変態運転手としてください、作者だし!こいつなら喜んでしてくれるでしょ!」
自分が嫌なのでクロスレイに丸投げにすると、「おっ、俺とサキト様がっ!?」と喚きだした。
「そんな事できる訳っ、ああああでもぉお!!俺は痛いの無理!!無理ですぅうう!!」
「うるさい!早く車出しな!!」
勝手に悶絶して喚き出すクロスレイに対し、スティレンはブチ切れて怒鳴る。
怒鳴られて命令される事には慣れているのだろう。彼ははい!と勢いよく返事をし、エンジンをかけてそのまま車を走らせて行った。
サキトは去りゆく車の窓から顔をひょこりと出しながらスティレンに向けて言い放つ。
「僕は諦めないからねスティレーン!!絶対君をひれ伏せさせてあげるんだからぁああ」
手を振りながら彼は去って行った。
「何なの、もう。変態が変態を作り出してるんじゃない。気持ち悪いなぁ…」
もう来ないで欲しい。
そう願っても、また彼は来るのだろう。
スティレンはそう思うと、がっかりした。
「おっ、俺とサキト様のっ!?そ、そそそそんな事思った事なんて…で、でももし書けたら…ああっ、でもご主人様に当たるサキト様に対していやらしい感情を持っていると思われてしまう!はぁああああ、どうしよう!?どうしたらいいですかね!?」
一人で動揺して勝手に苦悩している運転手に、スティレンは「きっも!」とばっさりと突き放した。
「描きたきゃ勝手に描けばいいじゃない!大体、俺とあの人の絡みを俺に許可無く勝手に描いてたくせに、今更何言ってんの?よくこんなの恥ずかしげも無く描けたもんだね、あんたみたいな気弱そうでなぁんの経験もなさそうな童貞顔が!あんたみたいなのをムッツリって言うんだろうね、このド変態!」
サキト本人には言いにくいが、普通の一般人であろうクロスレイに対してはどこまでも文句を言える。しかも、彼はサキトの心を満たす薄い本を作成している張本人とくれば。
一体何冊もの薄い本を作成してきたのだろう。
気になるが、聞けば後悔しそうな気がする。
思いっきり罵倒してやったが、言われた本人はやけに嬉しそうに顔を綻ばせている。スティレンはぞわっと全身が悪寒に襲われた。
「な…何なの?あんた。俺、思いっきりあんたを罵倒してやったんだけど何その反応」
恍惚とした表情。
クロスレイの表情はまさにそれだった。
「んっふ、この子は怒られると嬉しいらしいの。それも気の強い子に絞られるのがとっても好きみたいなんだよね。罵倒されるのは、クロスレイにとってご褒美みたいなものなんだよぉ」
何故かうっとりするサキト。
お前がそうさせたんじゃないのかとスティレンはドン引きした。
目の前に居る黒いスーツの大男は、身をぞくぞくさせながら呼吸を荒げている。
「うわぁ…もう、何なの。あんた、このご主人様から調教済みな訳?怖いんだけどやめてよその顔」
「いやっ…そ、そんなつもりはぁ。でもっ、そんな目で見られると俺っ、ああっ…もう、たまらなくなってきますっ」
「じゃあどうしろって言うんだよ!鬱陶しいなぁ!…ちょっとサキト様!こいつおかしいんじゃないの!?」
もういい加減に帰って欲しい。
嫌気がさしてきたスティレンに対し、サキトは天使のような笑顔で「この子にとってこれが普通なんだよぉ」と言い放った。
黙っていれば優男系なのに、あまりにも変態的すぎてどうしようもない。
「もう、帰ってよ!大体、サキト様だって学校でしょ!いちいち本を見せに来なくていいから!」
「えー」
頰をぷっくりと膨らませるサキト。
「じゃあいつかこの本みたいなエッチをしてよね、スティレン。当然僕が攻のほうね!」
「絶対嫌です!するんならこの変態運転手としてください、作者だし!こいつなら喜んでしてくれるでしょ!」
自分が嫌なのでクロスレイに丸投げにすると、「おっ、俺とサキト様がっ!?」と喚きだした。
「そんな事できる訳っ、ああああでもぉお!!俺は痛いの無理!!無理ですぅうう!!」
「うるさい!早く車出しな!!」
勝手に悶絶して喚き出すクロスレイに対し、スティレンはブチ切れて怒鳴る。
怒鳴られて命令される事には慣れているのだろう。彼ははい!と勢いよく返事をし、エンジンをかけてそのまま車を走らせて行った。
サキトは去りゆく車の窓から顔をひょこりと出しながらスティレンに向けて言い放つ。
「僕は諦めないからねスティレーン!!絶対君をひれ伏せさせてあげるんだからぁああ」
手を振りながら彼は去って行った。
「何なの、もう。変態が変態を作り出してるんじゃない。気持ち悪いなぁ…」
もう来ないで欲しい。
そう願っても、また彼は来るのだろう。
スティレンはそう思うと、がっかりした。
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