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そのよんじゅうはち
閑話休題*夢心地のキスはヤブ蚊扱い
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柔らかな日差しが、閉めていたカーテンの隙間を縫って差し込んでくる朝。
ううんとラスは唸りながらゆっくりと意識を覚醒させていく。徐々に頭の中がはっきりしていくと、やがてはっと目が覚めた。
そうだ、夜中まで先輩と一緒にボードゲームしてたんだっけ。それで先輩が負けて、罰ゲームで同じベッドで寝る事に…と。
それからすぐに自分の横に目を移す。
…リシェは何の警戒心も抱かない様子で、緩やかな寝息を立てて眠り続けていた。
ラスはついくすりと笑う。
そんなに無防備になれるなら、いつもあれだけ警戒しなくていいのに、と。
軽く彼の前髪に指先だけで触ってみた。ふるふると前髪を揺らすと、稀に瞼が反応する。
指を移動させ、柔らかな頰へ移動し、ぴとぴとと軽く触ってみる。リシェはううんと小さな声で、布団に顔を埋めていた。
その様子を見て、優しい気持ちになってしまう。
「…先輩」
「………」
「先輩。…せんぱい」
聞こえない程度の小さな声で、ラスはリシェに話しかけていく。
日焼けを知らないような特有の白い肌。
布団で温まり、ややピンクの色合いを含む頰を指先で優しく撫でながら。
「せんぱい、…せ…リシェ」
ああ、こうして眠っている先輩を間近に見れるなんて。
夢でもいい。
ラスは布団に埋もれている彼の額に軽くキスをする。
「…リシェ。これから沢山一緒に居ましょうね」
もっと、たくさん、いっぱい。
向こうでは出来ない事を、二人で経験したい。
ラスは眠り続ける彼に小さくそう囁くと、再び同じ場所に口づけをした。
…数時間後。
「蚊にめちゃくちゃ刺される夢を見た」
リシェは苦虫を噛み潰したような不愉快極まりない表情でラスに告げていた。
ラスは「蚊…」と複雑そうな顔でリシェと向き合う。
そりゃ、沢山キスしたけど。
夢でヤブ蚊扱いにされていたなんて…!
自分にとってのロマンチックなキスは、彼の夢の中では蚊の扱いなのかと若干ショックを受けた。
ううんとラスは唸りながらゆっくりと意識を覚醒させていく。徐々に頭の中がはっきりしていくと、やがてはっと目が覚めた。
そうだ、夜中まで先輩と一緒にボードゲームしてたんだっけ。それで先輩が負けて、罰ゲームで同じベッドで寝る事に…と。
それからすぐに自分の横に目を移す。
…リシェは何の警戒心も抱かない様子で、緩やかな寝息を立てて眠り続けていた。
ラスはついくすりと笑う。
そんなに無防備になれるなら、いつもあれだけ警戒しなくていいのに、と。
軽く彼の前髪に指先だけで触ってみた。ふるふると前髪を揺らすと、稀に瞼が反応する。
指を移動させ、柔らかな頰へ移動し、ぴとぴとと軽く触ってみる。リシェはううんと小さな声で、布団に顔を埋めていた。
その様子を見て、優しい気持ちになってしまう。
「…先輩」
「………」
「先輩。…せんぱい」
聞こえない程度の小さな声で、ラスはリシェに話しかけていく。
日焼けを知らないような特有の白い肌。
布団で温まり、ややピンクの色合いを含む頰を指先で優しく撫でながら。
「せんぱい、…せ…リシェ」
ああ、こうして眠っている先輩を間近に見れるなんて。
夢でもいい。
ラスは布団に埋もれている彼の額に軽くキスをする。
「…リシェ。これから沢山一緒に居ましょうね」
もっと、たくさん、いっぱい。
向こうでは出来ない事を、二人で経験したい。
ラスは眠り続ける彼に小さくそう囁くと、再び同じ場所に口づけをした。
…数時間後。
「蚊にめちゃくちゃ刺される夢を見た」
リシェは苦虫を噛み潰したような不愉快極まりない表情でラスに告げていた。
ラスは「蚊…」と複雑そうな顔でリシェと向き合う。
そりゃ、沢山キスしたけど。
夢でヤブ蚊扱いにされていたなんて…!
自分にとってのロマンチックなキスは、彼の夢の中では蚊の扱いなのかと若干ショックを受けた。
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