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そのじゅうに
リシェ攻略の為の予定表、景品付き
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リシェの眼前に広げられたのは、まるで夏休みの予定表のような計画表だった。
自分の不運を嘆き、怒り狂い、ぐすんと泣きべそをかくレベルで感情の起伏が激しい彼をどうにか宥めて、ラスはこの先の計画を見せてくる。
「…何だこれは?」
「先輩と仲良くする為の今後の予定表ですよ」
マメだな、とかしっかりしているな、という感想よりも先に「ヒマなのか?」という言葉が出てしまう。
そんな嫌味を完全にスルーし、ラスは方眼紙一杯に書き込まれた予定表をリシェに説明しだす。
「はい、最初は寮での同居から始めます。まず第一段階ですね!攻略レベルはまだ星一つ。次は学校に一緒に通うのを毎日やっていきます。一日毎にスタンプも押します!まずは二週間!一ヶ月になれば最終日に景品の花火セットが貰えます」
「夏休みのラジオ体操みたいだな」
誰から貰うんだよと呆れる。
「星二つになると放課後デートです。先輩は堅物だからなかなか攻略出来そうもないんだけど、甘いもので釣れば楽勝じゃないかなあと」
「俺はゲームキャラじゃない」
ぷいっとラスから顔を背けた。
「ええっ、だって甘いもの好きでしょ?スタンプカードでポイント貯めて、好きなパフェをタダで頼んで感動のあまり十分以上凝視する位」
「…何の話をしているんだ?」
「まあ、それはそうとして。そうですね、少しずつ距離を縮めていって、親密度を上げます」
相手の妄想話に、リシェは無表情になる。
ラスは彼の無表情に十分耐性がついているので、全く気にしていなかった。ノーダメージ。
「おい」
しばらくして、リシェはラスに対し口を開く。
「何だこの親密度マックスルートってのは」
その質問を受け、ラスはぱあっと頰を赤らめてそれですか!?といかにも待ってましたと言わんばかりに返した。
「親密度をめちゃくちゃ上げると到達出来るスーパーゾーンですよ!この辺りはもう先輩との甘過ぎるイベントが盛りだくさんです!」
「………」
胡散臭そうな表情のリシェは、彼が作成した予定表を眺めた。
誰も居ない教室で初キス。
屋上で軽めに触れ合う。
施錠した保健室のベッドでソフトないちゃいちゃ。
寮部屋で制服を半脱ぎにさせながら初H。
…リシェは予定表を最後まで眺めていくにつれ、顔を痙攣らせていた。よくもまあこんなおかしげな妄想をするものだ、と。
妄想を繰り広げて勝手に悶絶するラスに向け、方眼紙をぐしゃりと握って放り投げる。
「…誰がこんなもんやるかっ!!!」
「ええええーっ!?先輩、あくまで予定なんですよ、予定!!」
「絶対やらん!!ふざけるな、お前やっぱり出て行け!!」
こんな妄想をする人間と一緒に住みたくない。
顔を真っ赤にしながら、リシェは彼が精魂込めて作成した予定表をぐしゃぐしゃにしていた。
自分の不運を嘆き、怒り狂い、ぐすんと泣きべそをかくレベルで感情の起伏が激しい彼をどうにか宥めて、ラスはこの先の計画を見せてくる。
「…何だこれは?」
「先輩と仲良くする為の今後の予定表ですよ」
マメだな、とかしっかりしているな、という感想よりも先に「ヒマなのか?」という言葉が出てしまう。
そんな嫌味を完全にスルーし、ラスは方眼紙一杯に書き込まれた予定表をリシェに説明しだす。
「はい、最初は寮での同居から始めます。まず第一段階ですね!攻略レベルはまだ星一つ。次は学校に一緒に通うのを毎日やっていきます。一日毎にスタンプも押します!まずは二週間!一ヶ月になれば最終日に景品の花火セットが貰えます」
「夏休みのラジオ体操みたいだな」
誰から貰うんだよと呆れる。
「星二つになると放課後デートです。先輩は堅物だからなかなか攻略出来そうもないんだけど、甘いもので釣れば楽勝じゃないかなあと」
「俺はゲームキャラじゃない」
ぷいっとラスから顔を背けた。
「ええっ、だって甘いもの好きでしょ?スタンプカードでポイント貯めて、好きなパフェをタダで頼んで感動のあまり十分以上凝視する位」
「…何の話をしているんだ?」
「まあ、それはそうとして。そうですね、少しずつ距離を縮めていって、親密度を上げます」
相手の妄想話に、リシェは無表情になる。
ラスは彼の無表情に十分耐性がついているので、全く気にしていなかった。ノーダメージ。
「おい」
しばらくして、リシェはラスに対し口を開く。
「何だこの親密度マックスルートってのは」
その質問を受け、ラスはぱあっと頰を赤らめてそれですか!?といかにも待ってましたと言わんばかりに返した。
「親密度をめちゃくちゃ上げると到達出来るスーパーゾーンですよ!この辺りはもう先輩との甘過ぎるイベントが盛りだくさんです!」
「………」
胡散臭そうな表情のリシェは、彼が作成した予定表を眺めた。
誰も居ない教室で初キス。
屋上で軽めに触れ合う。
施錠した保健室のベッドでソフトないちゃいちゃ。
寮部屋で制服を半脱ぎにさせながら初H。
…リシェは予定表を最後まで眺めていくにつれ、顔を痙攣らせていた。よくもまあこんなおかしげな妄想をするものだ、と。
妄想を繰り広げて勝手に悶絶するラスに向け、方眼紙をぐしゃりと握って放り投げる。
「…誰がこんなもんやるかっ!!!」
「ええええーっ!?先輩、あくまで予定なんですよ、予定!!」
「絶対やらん!!ふざけるな、お前やっぱり出て行け!!」
こんな妄想をする人間と一緒に住みたくない。
顔を真っ赤にしながら、リシェは彼が精魂込めて作成した予定表をぐしゃぐしゃにしていた。
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