デジタル・ワルキューレ

夢月桜

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第二章

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 ついにホロウさんと約束した…いや、無理やり約束させられたといった方が正しいような気がしないでもないけど…とにかく約束の日が来た。
 でも、あの不思議な部屋の入り方ってどうやって行くんだろう…?と思っているとタイミングよく、ホロウさんからメッセージが届いた。

『入り方がわからないだろうと思ってね、連絡させてもらったわ。いつも通りにワーツリにログインしてユーザールームで待っててくれる?』

 と来ていたので私は彼女の言うとおりにワーツリにログインして、ホロウさんの反応を待つことにした。

「待たせたわね」

 とホロウさんはどこからともなく現れたので私は思わず「わっ!?」と声を出してしまった。

「…お化け見たみたいな顔されるとさすがにAIの私でも傷つくわよ?どういう仕組みなのか私自身にもわからないけど」
「あっ、それはごめんなさい」
「まぁ、そんなことはいいの。この前、部屋を出ていくときあなたの場合だと水色の扉が現れたでしょう?」

 とホロウさんは私に尋ねる。
 私はそういえばそんなことあったなと思い、うんうんとうなずいた。

「あの扉はあなたと私の部屋をつなげる役割を持っているわ。それを今、設置した」

 とホロウさんは扉のある場所を指さした。
 私は指さした方向を見る。
 彼女の言う通り、そこには水色の扉があった。

「い、いつの間に!?」
「ついさっきよ」
「そんなにちゃちゃっと設置できるものなんですか?!」
「結構容量が重いからね…数分はかかっちゃうわ」
「いや、それでも短いですよ…?」

 私には到底理解できそうにないプログラムをあっという間に組み立てちゃうホロウさん…AIだからっていうのもあるかもしれないけど…相当すごいことだ。
 それにそのホロウさんを作り上げた神木刹那さんも…いったい何者なんだろう?
 その神木さんと救出を頼まれた羽賀雪菜さんと知り合いらしい穂村さん…この人たちの間に一体何があったの?
 質問したいことが頭の中をぐるぐる回っていて、どこから質問をすればいいのかわからなくなる。

「さぁ、ほかのみんなの扉も設置し終えたことだし…私の部屋へ向かいましょう」

 とホロウさんは私が逃げないように腕をガシッとつかむ。
 痛くはないけど、振りほどけない!?
 どういう仕組み?!
 
「あの…!!!確かに何回か怖くて行くのやめようかな…って思ったことはありますけど…!!ここまで来たら逃げないのでそんな強く握る必要ないんじゃないんですか!?」
「そうね、ここまできたら逃げないとは思うけど…。保険よ、ほ・け・ん」
「信頼関係~~~~~~!!!!」

 そういわれて私はずるずると引きずられていくのであった。
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