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第二章
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長い1日がようやく終わった…。
今日の体育の授業、マラソンだったからキツかったなぁ…。
脇腹が途中で痛くなってヒィヒィ言いながら走ってた記憶がある。
そして放課後には郷美ちゃんと奈々子とでワーツリの協力プレイをする約束をしているので楽しみだ。
少しでもレベルを上げて、強い装備を身につけて…御神楽さんや桜宮さんに迷惑かけないようにするんだ…!!
とスマホでワーツリ装備をどんなものにしようかを見て考えながら歩いていると、私は曲がり角で誰かにぶつかる。
「わっ!ごめんなさい!!」
私はスマホを拾う前に咄嗟に謝る。
ぶつかってしまった人は私のスマホを拾ってくれたようだ。
そして目の前の人物が誰なのかを確認した。
「…?あっ、三佐くん??」
「…スマホ落としてますよ。画面はひび割れてないようなので安心してください」
「あ、ありがとう…。珍しいね、三佐くんがこの道通るなんて」
三佐くんも帰宅部だ。
いつもは私と反対の道が帰り道なのに今日はたまたま同じ道だ。
「まあ確かにそうですが…。僕がいつもと違う道を通ってあなたに何か迷惑でも?」
「いや、そういう訳じゃ…」
うぅー…やっぱり三佐くんってどこか怖い…。
「さっき少しだけ画面の中身を見たんですが、例のゲームの考え事してたんですね」
「うん、まあ…そうだね」
「日常のことに支障が出るほど考えるのであればやめたらどうですか?その方があなたのためですよ」
三佐くんはそう言ってスマホを渡した後、それではといいどこかへ向かって言ってしまった。
☆
「っていうのを三佐くんに言われちゃって…」
郷美ちゃんと奈々子は部活が終わったので私たちはクエスト受付広場の前で待ち合わせをしていた。
そして今日の帰り道での出来事を2人に話した。
「はぁ?!何それ!!…ってか!!人のスマホの画面勝手に見て勝手なこと言わないでほしいわ!!!」
奈々子はキーッとまるで自分のことかのように怒る。
「確かにそんな言い方は良くないよね…」
「でも歩きスマホして周りが見えなかった私も悪いし…」
「明日三佐くんに会ったらとっちめてやる…!!いや、今からでも…!!」
奈々子は今にも三佐くんの家に突撃訪問しそうな勢いでそう言った。
「ツッピー?!それはさすがにやめときな?!そもそもアタシたち、三佐くんの家も連絡先も知らないから突撃はできないよ?」
「くっそぉ…ミステリアス顔だけ男め…」
「奈々子、私のために怒ってくれてありがとう。でも、そこまでしなくても大丈夫だよ?とっちめちゃったら取り巻きの子たちに何されるかわかんないし…。それに!明日からは気にしないようにするから」
「えらいね、すみもっちゃん!」
と郷美ちゃんは私の頭をヨシヨシと子犬を褒めるように撫で回す。
アバター越しなので本来はくすぐったくないが、心做しかくすぐったいように感じた。
今日の体育の授業、マラソンだったからキツかったなぁ…。
脇腹が途中で痛くなってヒィヒィ言いながら走ってた記憶がある。
そして放課後には郷美ちゃんと奈々子とでワーツリの協力プレイをする約束をしているので楽しみだ。
少しでもレベルを上げて、強い装備を身につけて…御神楽さんや桜宮さんに迷惑かけないようにするんだ…!!
とスマホでワーツリ装備をどんなものにしようかを見て考えながら歩いていると、私は曲がり角で誰かにぶつかる。
「わっ!ごめんなさい!!」
私はスマホを拾う前に咄嗟に謝る。
ぶつかってしまった人は私のスマホを拾ってくれたようだ。
そして目の前の人物が誰なのかを確認した。
「…?あっ、三佐くん??」
「…スマホ落としてますよ。画面はひび割れてないようなので安心してください」
「あ、ありがとう…。珍しいね、三佐くんがこの道通るなんて」
三佐くんも帰宅部だ。
いつもは私と反対の道が帰り道なのに今日はたまたま同じ道だ。
「まあ確かにそうですが…。僕がいつもと違う道を通ってあなたに何か迷惑でも?」
「いや、そういう訳じゃ…」
うぅー…やっぱり三佐くんってどこか怖い…。
「さっき少しだけ画面の中身を見たんですが、例のゲームの考え事してたんですね」
「うん、まあ…そうだね」
「日常のことに支障が出るほど考えるのであればやめたらどうですか?その方があなたのためですよ」
三佐くんはそう言ってスマホを渡した後、それではといいどこかへ向かって言ってしまった。
☆
「っていうのを三佐くんに言われちゃって…」
郷美ちゃんと奈々子は部活が終わったので私たちはクエスト受付広場の前で待ち合わせをしていた。
そして今日の帰り道での出来事を2人に話した。
「はぁ?!何それ!!…ってか!!人のスマホの画面勝手に見て勝手なこと言わないでほしいわ!!!」
奈々子はキーッとまるで自分のことかのように怒る。
「確かにそんな言い方は良くないよね…」
「でも歩きスマホして周りが見えなかった私も悪いし…」
「明日三佐くんに会ったらとっちめてやる…!!いや、今からでも…!!」
奈々子は今にも三佐くんの家に突撃訪問しそうな勢いでそう言った。
「ツッピー?!それはさすがにやめときな?!そもそもアタシたち、三佐くんの家も連絡先も知らないから突撃はできないよ?」
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「奈々子、私のために怒ってくれてありがとう。でも、そこまでしなくても大丈夫だよ?とっちめちゃったら取り巻きの子たちに何されるかわかんないし…。それに!明日からは気にしないようにするから」
「えらいね、すみもっちゃん!」
と郷美ちゃんは私の頭をヨシヨシと子犬を褒めるように撫で回す。
アバター越しなので本来はくすぐったくないが、心做しかくすぐったいように感じた。
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