デジタル・ワルキューレ

夢月桜

文字の大きさ
上 下
15 / 29
第一章

14

しおりを挟む
 私が扉を通ったと思ったあと、気がついたら自分の部屋に戻っていた。
 今までの出来事…夢だったのかなと思い、自分のスマホを見てみると見たことの無いアプリがあった。
 翼とティアラのようなものがアイコンになっていて、『program W』と書いてある。
 これがホロウさんの言っていたプログラムなのかな?
 試しにアプリをタップしてみても何も反応がない。
 あの不思議な電脳世界に行かないと発動しないのだろうか?
 そしてワーツリのフレンド一覧を見てみると『エルフ・ロゼッタ』や『稲荷・雅』が記してあった。
 本当にあの有名なプレイヤーとつながっちゃった…。
 奈々子に『エルフ・ロゼッタ』のプレイヤーと会ったって知られたらどうなるんだろう?
 彼女は嫉妬深い性格じゃないから、きっとうらやましいって言って終わりだと思いたい。
 私は有名な人とつながったからと言ってそれを特別自慢したいわけじゃないし。
 それにホロウさんは集められて人たちで連絡を取り合うことはいいとしか言ってない。
 外部に漏らしちゃいけないことだということもなんとなくわかる。
 だから『エルフ・ロゼッタ』とつながっているということはしばらく内緒にしておこう。
 奈々子を危険にさらしたくない、大切な親友だから。

 あれ…?よく見ると『焔竜』…穂村さんとも相互フレンドになっている。
 いつのまに…。
 ホロウさんが勝手に登録しちゃったのだろうか?
 これに気付いた穂村さん、また機嫌が悪くならないといいけど…いやなってるなきっと…。
 そういえばホロウさん、やたら穂村さんのことをいじっていたような…。
 ホロウさんの開発者で穂村さんのお友達?の神木刹那さんもそういう性格なのかな?
 その神木刹那さんと穂村さんが大切に思っている羽賀雪菜さんもどういった人で、なにをもって今のような状態になったのか…。
 そして私が神木刹那さんと羽賀雪菜さんを助ける役目にどうしてえらばれたのか、わからないことだらけだ。
 現実での私も、ワーツリでの私も…特筆すべきことはなにも思い当たらない。
 こんな私にもできることがあるのかな…?
 あの人たちと関わることでなにかが変わるきっかけになるのなら、私も…頑張ってみようかな。
 
「奏波~?いつまでゲームしてるの?明日も学校あるんだから早く寝なさい!」

 階段下から私に寝るようにとお母さんが大きな声で促す。
 時計を見ると24時30分をとっくに過ぎていた。

「げっ?!もうこんな時間?!」

 早く寝ないと明日の授業に響いちゃう!
 居眠りなんかしちゃったら居残り補修を受ける羽目になっちゃう!
 私は大急ぎで布団の中に潜り込み、リモコンで部屋の電気を消した。
 部屋が暗くなったからか、私は思いのほか早く眠りについた。
 
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

銀河英雄戦艦アトランテスノヴァ

マサノブ
SF
日本が地球の盟主となった世界に 宇宙から強力な侵略者が攻めてきた、 此は一隻の宇宙戦艦がやがて銀河の英雄戦艦と 呼ばれる迄の奇跡の物語である。

『2184年』

geniusY
SF
2184年、人々は脳と手にインプラントをすることで驚くべき力を手に入れていた。しかし、この新しい世界は一筋の暗雲に覆われていた。 主人公は、世界に不信感を抱きはじめる。ある日、彼は偶然にも、過去の情報が残されている「旧世代インターネット」と呼ばれるサイトに辿り着く。彼はそこで、不思議な人格データ「geniusY」と出会う。 geniusYは、未来の人間牧場が待ち受けていると警告し、主人公をその実現を防ぐために戦うように説得する。人格データは、支配者によって操作され、人々が家畜として使われる世界について警告する。 主人公は、この恐ろしい未来を防ぐため、一人で戦いを始める。しかし、彼は次第に自分自身がその支配者の罠に落ちていることに気づき始める。 果たして主人公は、この闇に覆われた世界を救うことができるのか?その先に待つ真実とは? あなたを2184年の世界へと誘う。

VRゲームでも身体は動かしたくない。

姫野 佑
SF
多種多様な武器やスキル、様々な【称号】が存在するが職業という概念が存在しない<Imperial Of Egg>。 古き良きPCゲームとして稼働していた<Imperial Of Egg>もいよいよ完全没入型VRMMO化されることになった。 身体をなるべく動かしたくないと考えている岡田智恵理は<Imperial Of Egg>がVRゲームになるという発表を聞いて気落ちしていた。 しかしゲーム内の親友との会話で落ち着きを取り戻し、<Imperial Of Egg>にログインする。 当作品は小説家になろう様で連載しております。 章が完結次第、一日一話投稿致します。

入れ替われるイメクラ

廣瀬純一
SF
男女の体が入れ替わるイメクラの話

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

Free Emblem On-line

ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。 VRMMO『Free Emblem Online』 通称『F.E.O』 自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。 ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。 そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。 なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。

ビキニに恋した男

廣瀬純一
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

未来への転送

廣瀬純一
SF
未来に転送された男女の体が入れ替わる話

処理中です...