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第一章
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「『リップル』…?あれ、どっかで聞いたような…」
と御神楽さんはうーんと頭にハテナを浮かべていた。
「あー!キミが『リップル』!いやぁ、こんなすぐに会えるとは思ってなかったよ」
と御神楽さんは私にハグをした。
うわぁぁぁ…美人ってやっぱりいい匂いするんだなぁ…!
待って?!めっちゃ変態じゃん私!
「うん?私たち今アバターのままのはずなのにどうして匂いがするの…?」
『それは、あなたたちがさっき説明した生体電流を利用して生身のまま電脳世界へ入っているからよ』
「勝手に実行してたってわけね…。あとごめんね、奏波。ぼく臭かった?」
と御神楽さんはショックを受けているようだった。
わっ?!匂い嗅いじゃったことバレちゃった!!
「いいえ!そうじゃないです!!臭くないです!!むしろめちゃくちゃいい匂いで!!!って、うわー!!私ったら何言っちゃってんだろ?!」
「ホッ…。よかったぁ、安心した…」
「その生体電流でどうとか…というプログラムでわたくしたちの体に今後副作用が出る可能性はどのくらいですの?」
『ほぼないわ』
「ほぼ…?うーん、キッパリ言ってくれないと不安だなぁ、こっちも」
『私の開発者…マスターの神木刹那が実験の第1成功者という話もさっきしたと思うわ。実験は成功した、副作用も何も無くね。1か月前、2回目の電脳世界へのダイブでマスターとの連絡が取れなくなってしまったの』
とホロウさんはうつむきながら言った。
「1か月前…たしかにちょうど神木が無断欠席した日にちと一致するな…」
穂村さんはそう言った。
『考えられることはプログラムに何らかのバグが発見されたことによるものか、カミキエンタープライズに潜入する際に足止めを食らって帰れなくなったか…この2つになるわ。よって私たちのやるべきことは2つになった』
「そういえば、さっきからホロウが助けて欲しいって言ってる少女のこと何も聞いてなかった。その子のこと、最初に教えてくれない?」
『…そうね。私が今姿を借りている少女の名前は羽賀雪菜。穂村炎馬の幼なじみであるこの子だけど、とある難病に罹っているの』
「難病…?」
私がそういうとホロウさんはうなずく。
『彼女の身体は生きている。でもね、目が覚めないの』
「ずっと眠った状態…ナルコプレシー…とかじゃあないね…」
「えーっと突発的に我慢出来ないくらいに眠気がくるやつでしたっけ?」
「そうそう、正解」
「俺も色々調べてそれだと思ってたんだが…違うんだろ?」
穂村さんが尋ねるとホロウさんは『その通りよ』と答える。
『意識…いえ心が人為的に抜き取られていたことがわかったの』
「心が人為的に抜き取られてる…?」
私がそう言った後、御神楽さんはこう続けた。
「ぼくらが今こうして生身で電脳世界で来れてる事だって普通有り得ないことだし…。それができるなら心抜き取ることなんて簡単に出来そうだね」
「そもそもなんで雪菜の心が抜き取られる必要があるんだ?」
穂村さんの質問にホロウさんは『それがまだ分からないの』と答えた。
『マスターが何かをつかんだような口振りをしていたけど…教えてもらう前に連絡がとだえてしまって…』
「でもいなくなったのあのカミキエンタープライズの一人娘様なわけでしょ?1か月前も行方不明って分かったらニュースになるもんじゃないの?実際炎真のところの学校もザワザワしてるでしょ?」
「…確かにそうだな」
「一度手を組んで働いた企業の娘が行方不明になったとなれば、噂程度ではありますがわたくしの耳にも入ってくる可能性も…。どこかおかしいですわね」
『…誰かは分からないけど、マスターが行方不明なことを隠蔽しているわ』
「ふーん…わかんないこと尽くしだねぇ」
と御神楽さんはうーんと頭にハテナを浮かべていた。
「あー!キミが『リップル』!いやぁ、こんなすぐに会えるとは思ってなかったよ」
と御神楽さんは私にハグをした。
うわぁぁぁ…美人ってやっぱりいい匂いするんだなぁ…!
待って?!めっちゃ変態じゃん私!
「うん?私たち今アバターのままのはずなのにどうして匂いがするの…?」
『それは、あなたたちがさっき説明した生体電流を利用して生身のまま電脳世界へ入っているからよ』
「勝手に実行してたってわけね…。あとごめんね、奏波。ぼく臭かった?」
と御神楽さんはショックを受けているようだった。
わっ?!匂い嗅いじゃったことバレちゃった!!
「いいえ!そうじゃないです!!臭くないです!!むしろめちゃくちゃいい匂いで!!!って、うわー!!私ったら何言っちゃってんだろ?!」
「ホッ…。よかったぁ、安心した…」
「その生体電流でどうとか…というプログラムでわたくしたちの体に今後副作用が出る可能性はどのくらいですの?」
『ほぼないわ』
「ほぼ…?うーん、キッパリ言ってくれないと不安だなぁ、こっちも」
『私の開発者…マスターの神木刹那が実験の第1成功者という話もさっきしたと思うわ。実験は成功した、副作用も何も無くね。1か月前、2回目の電脳世界へのダイブでマスターとの連絡が取れなくなってしまったの』
とホロウさんはうつむきながら言った。
「1か月前…たしかにちょうど神木が無断欠席した日にちと一致するな…」
穂村さんはそう言った。
『考えられることはプログラムに何らかのバグが発見されたことによるものか、カミキエンタープライズに潜入する際に足止めを食らって帰れなくなったか…この2つになるわ。よって私たちのやるべきことは2つになった』
「そういえば、さっきからホロウが助けて欲しいって言ってる少女のこと何も聞いてなかった。その子のこと、最初に教えてくれない?」
『…そうね。私が今姿を借りている少女の名前は羽賀雪菜。穂村炎馬の幼なじみであるこの子だけど、とある難病に罹っているの』
「難病…?」
私がそういうとホロウさんはうなずく。
『彼女の身体は生きている。でもね、目が覚めないの』
「ずっと眠った状態…ナルコプレシー…とかじゃあないね…」
「えーっと突発的に我慢出来ないくらいに眠気がくるやつでしたっけ?」
「そうそう、正解」
「俺も色々調べてそれだと思ってたんだが…違うんだろ?」
穂村さんが尋ねるとホロウさんは『その通りよ』と答える。
『意識…いえ心が人為的に抜き取られていたことがわかったの』
「心が人為的に抜き取られてる…?」
私がそう言った後、御神楽さんはこう続けた。
「ぼくらが今こうして生身で電脳世界で来れてる事だって普通有り得ないことだし…。それができるなら心抜き取ることなんて簡単に出来そうだね」
「そもそもなんで雪菜の心が抜き取られる必要があるんだ?」
穂村さんの質問にホロウさんは『それがまだ分からないの』と答えた。
『マスターが何かをつかんだような口振りをしていたけど…教えてもらう前に連絡がとだえてしまって…』
「でもいなくなったのあのカミキエンタープライズの一人娘様なわけでしょ?1か月前も行方不明って分かったらニュースになるもんじゃないの?実際炎真のところの学校もザワザワしてるでしょ?」
「…確かにそうだな」
「一度手を組んで働いた企業の娘が行方不明になったとなれば、噂程度ではありますがわたくしの耳にも入ってくる可能性も…。どこかおかしいですわね」
『…誰かは分からないけど、マスターが行方不明なことを隠蔽しているわ』
「ふーん…わかんないこと尽くしだねぇ」
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