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日本統一編
23.山王の過去5
しおりを挟む「おい、光ったぞ」
「能力だ、能力。早く確認するぞ
「うるせー、集中させろ!」
「皆一度落ち着け。訓練したことを思い出せ」
芳樹の言葉を聞き焦りを収め片眼を閉じた。
「うっわ、ほんとになんか見える。能力はー日課の筋トレかなかなかに俺っぽい」
誇らしげになる龍雄を見て覇李と吹雪も続いた。
「んーっと、俺は命令か、なんかいろいろできそうだな」
「覇李はどうだった?ん?覇李ー?」
覇李は黙りこくって変な汗をかいていた。
「ふ、不倫、」
「は!?お前の能力ふざけすぎ」
龍雄が腹を抱えて笑う。
「ねー霞ちゃんどうしよう」
覇李はまた霞に助け舟をだす。
「って、え?霞ちゃんは?」
「おい、待て蒼太もいねーぞ?」
「二人とも落ち着け、先生に確認する」
焦りだし、今にも何かをしそうな二人を抑えた。
「先生、霞と蒼太が消えました」
「!?、なんてことだ、予想外の二人だ」
尋常じゃないほどの汗をかき大慌てする。
「ここでは目立つ校長室で話す」
三人を連れて足早に校長室へ向かった。
「それで、どういうことだよ。先生」
「蒼太と霞ちゃんは無事なの?」
「分からない、。ただ一つ言えることは政府に拉致された。恐らく政府は一瞬のうちに能力の使い方を覚え、それで拉致した可能性が高い。なんせここは真佐学園。簡単に侵入できるとすればそれだろう、」
三人の顔から色が抜けていく。
「先生。先生は知っていたんですか、?」
「うむ、知っていた。だが打つ手は思いつかなかった。もし下手に動けばタダではすまないと思った。すまん」
「いえ、これは周りを気にしていなかった僕らにも非はあります。安心してください。何かあると困るのでお手製の発信器を四人二は付けてあります。それを辿れば着くはずです」
吹雪の驚異的な先読み、、お節介で何とかなると思っていた。
「ここですね、東京のど真ん中。やはり政府の本部がある場所です。乗り込みますか?」
吹雪らしからぬ震えた声で尋ねる。
「いや、とりあえず陣形を整える。お前たち三人には周辺の警備と学園の守りを行ってもらう」
「おい、聞いてたか二人とも今は落ち込んでる場合じゃ、」
吹雪が振り返るとそこには光で包まれた二人がいた。
「吹雪、もう能力使えるよ。多分吹雪も」
見よう見まねで吹雪もやってみる。
「で、できた」
「な?恐らくあいつら二人もできてるだろう、これで命の心配はないな」
恐ろしく冷静な二人を見て吹雪は頼もしくなった。
「では、頼む。わしは陣形考案をしておく」
『了解!』
それからの三人は恐ろしかった。何人たりともいれさせないという気迫、まるで山を守る守り神のようだった。誰が呼び始めたのかいつしか三人は山王と呼ばれていた。
「すいませーん、この手紙なんか感じるんですけど」
山王に渡された手紙には素人目でも分かる程のオーラで包まれていた。
(この感じ、霞?)
吹雪が感じ、それを追うように二人も感じ始めた。
「これって、」
「あぁ、あの二人のオーラだ!」
校長室に駆ける。高校時代の帰り道のように。
「先生!霞たちから手紙が!」
「それは本当か!今すぐ確認を」
さすがの芳樹も興奮している。
「開けるぞ」
こんにちは、真佐学園の皆さん。それに吹雪、龍雄、覇李。
私たちはあの光が降り注いだ日、政府に拉致された。最初は恐怖だった。早く帰りたい、みんなに会いたい、そんな甘ったるい考えを持っていた。でも私たちは柳代表の言葉に救われた。真の倒すべき存在は君たち山王だと。
ただただ残念だ。友と戦うとは。涙が出てきた。君たちを倒すこととても苦行だ。
姿を晦まし、隠れていたことは謝罪する。しかし、私たちは山王を倒す。
経験したこともない苦しみを与えろと言われている。柳代表の言葉は絶対だ。
私たちと殺り合おう。
手を差し伸べるなど甘い考えは捨てろ。
私たちの友よ東京本部に来い。待っている。
アンベルティー 代霞、黒風蒼
名前が少し違う、それでも三人には霞と蒼太が書いたことは分かった。それでも言葉を失った。二人は拉致されたのだと、またもとに戻ると、そんな考えを持っていた。
(もう、甘い考えは捨てるしか、)
「まだ、謝られてない。私たちが本気で心配したのに謝罪するとだけ書いてあってごめんって言われてない。行こう、あの日を取り戻しに!」
覇李の言葉に吹雪と龍雄は息を吹き返す。
『よし、行こう!』
「そこで作戦に加えたい奴らがいる。若者の世代、エレメントを集める」
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