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2.光の夢と現実
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一週間病院に行くに行けなかった。好きだと自覚して千輝に会うのが怖かった。なんて話せばいいか、気持ちを伝えるべきかずっと悩んだ。でも今日は父の洋服を持っていかなければならないのでその時までには考えようと思った。今日は終業式があるため学校に向かった。
「光ー、お前大学どうする?」
教室に入ると水川悟が話しかけてきた。僕の一番の友達だ。
「やりたいことも決まらないから県内の大学にしたよ」
「親父さんのように天文学者にはならないのか?いつもみんなに自慢してるだろ?」
僕の父は有名な天文学者でも未知の星を見つけたすごい人でもなんでもない。でも、僕は父が天文学者なのが誇らしくて堪らなかった。
「ならないよ、天文学者は志が高くて目標がある人がやるべきだと思うんだ」
心のどこかではなりたいと思ってたのかもしれない。僕の心に妙な塊がくっついて離れなかった。放送での終業式中も悟の言葉が頭から離れなかった。
(天文学者かー)
空を見上げなんとなくイフェメラルを探した。
「新年もうかうかしていられません。すぐに共通テストがやってきます。寝て過ごさないよう気を付けましょう。ではよいお年を」
先生がいつも通りの真面目な言葉で今年最後のSHRを閉めた。言葉を聞き病院に行く前に図書館で勉強することにした。
図書館につき初めはまじめに勉強していた。集中は一時間ももたなかった。休憩がてらに本を読もうと探し出した。一番に星関連が置いてある本棚に目が行った。先程まで天文学者のことを考えていた光はある一冊の本を手に取った。
【星の一生~誕生から消滅~】
少し興味を持ちページを開いた。
星には人間のようにそれぞれ寿命がある。太陽は100億年、地球は30~50億年。光は先日観測されたイフェメラルの寿命をスマートフォンで調べてみた。残念ながらまだ寿命は分かっていなかった。
(気になるな)
そこでニュースで紹介されていたことを思い出した。最も美しく短命。短命な星を本で調べた。一番短命なのはベテルギウス。ベテルギウスは赤色超巨星であり、太陽の約16~19倍の質量を持つ一方、寿命は1000万年程度と短命。 今後10万年のうちに超新星爆発を起こして中性子星になると予測されている。
簡単に言うと明るいほうが早く燃え尽き消滅する。とてつもなく明るいことが分かってるイフェメラルはベテルギウス以上の短命の可能性がある。
(やっべ、気になりすぎる。次の本は)
「すいません、図書館閉める時間なので..」
気づいたら時刻は20時00分。病院の面会時間も後一時間と迫るところだった。
「あ、すいません」
(もうそんな時間か)
光は読みたい本を借りて病院に急いだ。
「すいませーん、まだ面会できますか?」
「あら、光くん。今日は遅いのね」
「図書館で本読んでたらこんな時間に」
図書館で借りた二冊の本を見せた。
「お父さん、そっくりね。まだ大丈夫よ」
お年寄りには寝ている人もいるらしい、大きな声は出さないでと言われた。
「父さん、遅くなった。!久しぶり!」
「おぉ、光か何してたんだ?」
少し照れくさくなりながら先ほど借りた星の本を見せた。
「星の寿命のやつか、しかも佐伯先生の本か!うちの研究所の教授だよ見る目あるな」
父は嬉しそうに本を読み始めた。星の本だからか満面の笑みを見せた。もしかしたら、星に興味を持った息子に感激したのかもしれない。
「天文学者になるのか?」
「いや、まだわからない。考え中」
父の笑みを見ていた以上に嘘でも目指すと言っておけばよかった気もした。
「そうか、少しでも星に興味持ってくれてうれしいよ」
父の顔には水が流れる。
「すまん、花瓶の水換えてきてくれないか」
花瓶を渡され病室から出された。
(そんなに嬉しかったのか、)
少し天文学に興味を持った。
「あれ、光くん?久しぶり!」
今一番会うと困る人に会ったというのに顔の口角が上がりっぱなしだった。
「千輝さん、久しぶり。検査帰り?」
点滴をしながら看護師と歩いてきた。
「まぁ、そんなところ!」
看護師が深刻そうな顔をしていたが、それも目に入らないほど千輝に見とれてた。
「そんなに見つめないでよ、恥ずかしい」
初めて見る千輝の表情に光の方が照れていた。
「あの、少し話さない?」
勇気を振り絞り聞いてみる。
「看護師さん、もう少しいい?」
「えぇ、遅くならないように」
二人でお礼を言うと走って病室に向かった。
「走らないー!」
途中看護師の人に怒られたが強行突破した。
「はっはっはー、それで光くん話って?」
息を切らしながら笑いこけ質問を投げる。
「あ、あー本があって見せようと思って」
光はカバンから星関連の本をもう一つ取り出して見せた。
「わ!佐伯先生の本!今回の星イフェメラルを見つけた人だよ!」
父にはその情報がはいっていないことを少し残念に思ったが、すごい人の本を借りたと思うと高揚感が止まらなかった。
「星に興味出たの!?」
驚きながらも本当に嬉しそうに弾む声と輝く笑顔を見せた。
「うん、気づいたらこんな時間になってて」
照れながら伝えた。
「え!じゃあ星について語れるね!」
千輝が「話そう」と言いかける前に看護士が入ってきて面会終了時間なことを伝えた。
「あ、すいません。すぐ出ます」
「光くん!明日早めに来てよ!星について語りあかそっ!」
そう言う千輝に向け元気な返事をした。ゆっくりと扉を閉め千輝の部屋を出た。
「すいません、花瓶父の病室に戻してきてもいいですか?」
また、手に持ってた花瓶をすっかり忘れていて返しに行く許可をもらった。
「静かにね」
微笑むように笑って許可を出してくれた。
「父さん、ごめん。遅くなった。時間だからもう帰るね」
「光、星についてもっと調べてみな。きっとはまるよ」
父は病室の扉を閉めようとする光を止めて言い放った。
「分かった、調べてみるよ!おやすみ!」
「おやすみ」
病室を出て看護士の人に頭を下げ急いで家に帰った。
「ただいま!ごめん帰るの遅くなった」
「おかえりー、ご飯できてるよ手洗ってきなー」
ご飯を食べふろにも入った。部屋で星について調べるためにアイスを食べて落ち着こうと思い冷蔵庫に手を伸ばした。
「母さん、ピノ食べていい?」
「あ、私に雪見大福お願いー」
ピノと雪見大福を取り出しピノを部屋に持って行った。箱を開けて食べる。
(うわ、星入り)
今まで出たことがなくネットでしか見たことのない星型のピノが出てきた。
(神様まで俺を天文学者にしたいのか)
星型のピノを避けて普通のピノを口に入れながらパソコンで星について調べた。
「なるほど、星検か問題もむずいなって今何時だ?」
ずっと調べ続けていたからか目が痛い。目に手を当て無理やり開けて時計を見た。
「うっわ、もう6時かよ」
時刻は6時丁度。主婦(主夫)たちが目覚めご飯を作る時間だろう。冬場のこんな早く寒い時間に起きて仕事をする人たちには尊敬の言葉しかない。
「おはよー、母さん。ご飯まだ?」
案の定、光には母への感謝はなかった。
「はいはい、ちょっと待って」
いつも通りの卵かけご飯。今日は鮭もついてて少し贅沢だと思った。
「今日今から美容院だからお父さんのとこ行くとき戸締りよろしくね~」
「はいよ、いってらっしゃいー」
いつも通り母の顔を見ずに見送った。
「昼間で勉強してから行くかー」
そう言い牛乳をレンジで温めココアパウダーを入れココアにして部屋に持って行った。
12月22日11時00分。電話が鳴った。
(なんだよせっかく人が集中して勉強してたのに)
光の集中は四時間を超していた。
「はい、星宮です」
受話器を取り電話に出た。
「星宮さんのお宅で間違いないですか?もしかして星宮さんのお子さんですか?」
知らない女性の声だった。
「はい、そうですけど。母ならいませんよ」
塾の勧誘かと思った。
「お母さんが事故に遭いまして、手術中です。至急、立花国立病院までお越しください」
受話器を落とした。その拍子に電話も切れた。おかしな嘘だと思った。先程まで元気だった母が....。
足が病院の方角に向く。偶然か運命かその病院は父の入院している所だった。行き慣れている近道を使い病院に向かった。
「すいません、!母は、星宮千鶴はどこですか!」
「こちらです、!」
先程聞いた声だ。いつもの看護士さんだった。なんで分からなかったのだろうか。
「こちらでいま手術中です。こちらでお待ちください」
手術室の前の椅子に座らされた。手術中のランプはまだ光ってる。
(母さんがんばれ、!)
目をつぶり天に祈った。
「あ、居ました!」
今度は別の看護士がやってくる。
「落ち着いて聞いてね、君のお父さんが心筋梗塞でたった今息を引き取りました」
現実はあまりに残酷すぎた。
「光ー、お前大学どうする?」
教室に入ると水川悟が話しかけてきた。僕の一番の友達だ。
「やりたいことも決まらないから県内の大学にしたよ」
「親父さんのように天文学者にはならないのか?いつもみんなに自慢してるだろ?」
僕の父は有名な天文学者でも未知の星を見つけたすごい人でもなんでもない。でも、僕は父が天文学者なのが誇らしくて堪らなかった。
「ならないよ、天文学者は志が高くて目標がある人がやるべきだと思うんだ」
心のどこかではなりたいと思ってたのかもしれない。僕の心に妙な塊がくっついて離れなかった。放送での終業式中も悟の言葉が頭から離れなかった。
(天文学者かー)
空を見上げなんとなくイフェメラルを探した。
「新年もうかうかしていられません。すぐに共通テストがやってきます。寝て過ごさないよう気を付けましょう。ではよいお年を」
先生がいつも通りの真面目な言葉で今年最後のSHRを閉めた。言葉を聞き病院に行く前に図書館で勉強することにした。
図書館につき初めはまじめに勉強していた。集中は一時間ももたなかった。休憩がてらに本を読もうと探し出した。一番に星関連が置いてある本棚に目が行った。先程まで天文学者のことを考えていた光はある一冊の本を手に取った。
【星の一生~誕生から消滅~】
少し興味を持ちページを開いた。
星には人間のようにそれぞれ寿命がある。太陽は100億年、地球は30~50億年。光は先日観測されたイフェメラルの寿命をスマートフォンで調べてみた。残念ながらまだ寿命は分かっていなかった。
(気になるな)
そこでニュースで紹介されていたことを思い出した。最も美しく短命。短命な星を本で調べた。一番短命なのはベテルギウス。ベテルギウスは赤色超巨星であり、太陽の約16~19倍の質量を持つ一方、寿命は1000万年程度と短命。 今後10万年のうちに超新星爆発を起こして中性子星になると予測されている。
簡単に言うと明るいほうが早く燃え尽き消滅する。とてつもなく明るいことが分かってるイフェメラルはベテルギウス以上の短命の可能性がある。
(やっべ、気になりすぎる。次の本は)
「すいません、図書館閉める時間なので..」
気づいたら時刻は20時00分。病院の面会時間も後一時間と迫るところだった。
「あ、すいません」
(もうそんな時間か)
光は読みたい本を借りて病院に急いだ。
「すいませーん、まだ面会できますか?」
「あら、光くん。今日は遅いのね」
「図書館で本読んでたらこんな時間に」
図書館で借りた二冊の本を見せた。
「お父さん、そっくりね。まだ大丈夫よ」
お年寄りには寝ている人もいるらしい、大きな声は出さないでと言われた。
「父さん、遅くなった。!久しぶり!」
「おぉ、光か何してたんだ?」
少し照れくさくなりながら先ほど借りた星の本を見せた。
「星の寿命のやつか、しかも佐伯先生の本か!うちの研究所の教授だよ見る目あるな」
父は嬉しそうに本を読み始めた。星の本だからか満面の笑みを見せた。もしかしたら、星に興味を持った息子に感激したのかもしれない。
「天文学者になるのか?」
「いや、まだわからない。考え中」
父の笑みを見ていた以上に嘘でも目指すと言っておけばよかった気もした。
「そうか、少しでも星に興味持ってくれてうれしいよ」
父の顔には水が流れる。
「すまん、花瓶の水換えてきてくれないか」
花瓶を渡され病室から出された。
(そんなに嬉しかったのか、)
少し天文学に興味を持った。
「あれ、光くん?久しぶり!」
今一番会うと困る人に会ったというのに顔の口角が上がりっぱなしだった。
「千輝さん、久しぶり。検査帰り?」
点滴をしながら看護師と歩いてきた。
「まぁ、そんなところ!」
看護師が深刻そうな顔をしていたが、それも目に入らないほど千輝に見とれてた。
「そんなに見つめないでよ、恥ずかしい」
初めて見る千輝の表情に光の方が照れていた。
「あの、少し話さない?」
勇気を振り絞り聞いてみる。
「看護師さん、もう少しいい?」
「えぇ、遅くならないように」
二人でお礼を言うと走って病室に向かった。
「走らないー!」
途中看護師の人に怒られたが強行突破した。
「はっはっはー、それで光くん話って?」
息を切らしながら笑いこけ質問を投げる。
「あ、あー本があって見せようと思って」
光はカバンから星関連の本をもう一つ取り出して見せた。
「わ!佐伯先生の本!今回の星イフェメラルを見つけた人だよ!」
父にはその情報がはいっていないことを少し残念に思ったが、すごい人の本を借りたと思うと高揚感が止まらなかった。
「星に興味出たの!?」
驚きながらも本当に嬉しそうに弾む声と輝く笑顔を見せた。
「うん、気づいたらこんな時間になってて」
照れながら伝えた。
「え!じゃあ星について語れるね!」
千輝が「話そう」と言いかける前に看護士が入ってきて面会終了時間なことを伝えた。
「あ、すいません。すぐ出ます」
「光くん!明日早めに来てよ!星について語りあかそっ!」
そう言う千輝に向け元気な返事をした。ゆっくりと扉を閉め千輝の部屋を出た。
「すいません、花瓶父の病室に戻してきてもいいですか?」
また、手に持ってた花瓶をすっかり忘れていて返しに行く許可をもらった。
「静かにね」
微笑むように笑って許可を出してくれた。
「父さん、ごめん。遅くなった。時間だからもう帰るね」
「光、星についてもっと調べてみな。きっとはまるよ」
父は病室の扉を閉めようとする光を止めて言い放った。
「分かった、調べてみるよ!おやすみ!」
「おやすみ」
病室を出て看護士の人に頭を下げ急いで家に帰った。
「ただいま!ごめん帰るの遅くなった」
「おかえりー、ご飯できてるよ手洗ってきなー」
ご飯を食べふろにも入った。部屋で星について調べるためにアイスを食べて落ち着こうと思い冷蔵庫に手を伸ばした。
「母さん、ピノ食べていい?」
「あ、私に雪見大福お願いー」
ピノと雪見大福を取り出しピノを部屋に持って行った。箱を開けて食べる。
(うわ、星入り)
今まで出たことがなくネットでしか見たことのない星型のピノが出てきた。
(神様まで俺を天文学者にしたいのか)
星型のピノを避けて普通のピノを口に入れながらパソコンで星について調べた。
「なるほど、星検か問題もむずいなって今何時だ?」
ずっと調べ続けていたからか目が痛い。目に手を当て無理やり開けて時計を見た。
「うっわ、もう6時かよ」
時刻は6時丁度。主婦(主夫)たちが目覚めご飯を作る時間だろう。冬場のこんな早く寒い時間に起きて仕事をする人たちには尊敬の言葉しかない。
「おはよー、母さん。ご飯まだ?」
案の定、光には母への感謝はなかった。
「はいはい、ちょっと待って」
いつも通りの卵かけご飯。今日は鮭もついてて少し贅沢だと思った。
「今日今から美容院だからお父さんのとこ行くとき戸締りよろしくね~」
「はいよ、いってらっしゃいー」
いつも通り母の顔を見ずに見送った。
「昼間で勉強してから行くかー」
そう言い牛乳をレンジで温めココアパウダーを入れココアにして部屋に持って行った。
12月22日11時00分。電話が鳴った。
(なんだよせっかく人が集中して勉強してたのに)
光の集中は四時間を超していた。
「はい、星宮です」
受話器を取り電話に出た。
「星宮さんのお宅で間違いないですか?もしかして星宮さんのお子さんですか?」
知らない女性の声だった。
「はい、そうですけど。母ならいませんよ」
塾の勧誘かと思った。
「お母さんが事故に遭いまして、手術中です。至急、立花国立病院までお越しください」
受話器を落とした。その拍子に電話も切れた。おかしな嘘だと思った。先程まで元気だった母が....。
足が病院の方角に向く。偶然か運命かその病院は父の入院している所だった。行き慣れている近道を使い病院に向かった。
「すいません、!母は、星宮千鶴はどこですか!」
「こちらです、!」
先程聞いた声だ。いつもの看護士さんだった。なんで分からなかったのだろうか。
「こちらでいま手術中です。こちらでお待ちください」
手術室の前の椅子に座らされた。手術中のランプはまだ光ってる。
(母さんがんばれ、!)
目をつぶり天に祈った。
「あ、居ました!」
今度は別の看護士がやってくる。
「落ち着いて聞いてね、君のお父さんが心筋梗塞でたった今息を引き取りました」
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