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向き合う時

疲れるだけ

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 桜川さくらがわ家は妻の綾子あやこ今は亡き夫の一太郎いちたろうの夫婦。そこに引き取られた筒夏つつなの3人家族として成り立っている。桜川家はつなぎ家の家政婦として代々から受け継がれていた。だが、綾子と一太郎の間に子供ができなかった。筒夏を拾ったのはそれを防ぐため。筒夏が来たことで桜川家の名前がなくなることは無くなった。

 綾子は繋花芽はなめ。(茅鶴ちづるの母親。)の介護士として繋家でおせわになっていた。桜川家は別に家があり、基本は繋家だが、時々戻る時がある。

 筒夏が来たのは桜川家の方だった。インターホンを押す。
 「はーい」

 元気な声が聞こえる。
 「つーちゃん。」

 愛称を呼ばれる。
 「もうその名前で呼ばないで。」
 「いいじゃん。昔からの仲なんだから。」
 「はぁ。」
 筒夏を出迎えたのは同年代ぐらいの男の子だった。
 「・・・」
 「何?」
 「変わったなぁって」
 「どこが?」
 「具体的には身長が?昔は私の方がデカかった。」
 「そりゃあ、時間が経てばおい抜きますよぉ~」
 「だね。私の部屋は?」
 「同じだよ。綾子さんからの伝言。『今日は帰れないからゆっくり過ごして』くれだってさ。」
 「ふぅーん。私、寝るから。」
 「あ、ちょっ!」

 男の言葉を無視し、部屋に行く。

 男の名は桜川さくらがわ千冬せんと。桜川家の家事をしている。


 「つつなぁ~家事手伝ってくれよ。本家の繋家でやってるんだろうぉー」
 
 部屋で寝ようと思っていたら千冬のうるさい声が聞こえる。

 「言っておくけど、私がやってるのは家事じゃなくて護衛。家事のスキルぱぁだから。」
 「はぁ?ここで教わったのは家事スキルだろ!」
 ドア一枚挟んで喧嘩じみたことをする。

 「私には家事なんか合わないってこと!」
 「脳筋め!」
 「うるせぇー」
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