越えられない壁で僕らの幸せは・・・

綾瑪 東暢

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向き合う時

茅鶴も薫も向き合うべき

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 「お母様・・お父様。ごめんなさい。ごめんなさい。」

 志綾しあは頭を下げる。かおるが志綾に近づいて肩に手を置く。茅鶴ちづるは紙を持ち志綾を見つめているだけ。

 「お父様は、前に聞いたと思います。お母様に言っておきたいことがあるんです。でもその前に、私は・・いえ、王高校に行こうと思っています。」

 その言葉に紙を持つ茅鶴の手に力が入り少しの皺がつく。

 「な、なんでっ・・共学に・・共学に行けば、まだっ誤魔化せるのに・・」
 
 茅鶴が泣きそうな声で言う。
 「・・お父様。壱竺いちじく南恵みなえ先生のお宅で言ったことを覚えていますか?」
 「・・あぁ」
 「お母様。私は高校に入る前にやりたいことがあります。多分、お母様は反対すると思います。それでも聞いてくれますか?」
 「・・反対すると思うなら、聞かせないでください・・。」
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