越えられない壁で僕らの幸せは・・・

綾瑪 東暢

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番外編 (本編とは多分関係ない)

夏休み

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 『志綾しあちゃん~』

 21時を回った頃、しずくからメールが来た。志綾はどうかしましたか?と雫に送る。

 『作文が終わってないのー。助けて~』
 『まだ終わってないんですか?』
 『うん、だって難しいじゃん。何この雲ってお題。志綾ちゃん何書いた?』
 『雲ではなく自由作文にしましたよ』
 『え、そっちの方がすごいや・・自由って逆に何書くの?』
 『私は家族について書きました。』
 『あー、そう言う感じ。』
 『私はそんな感じで書きました。雫さんは雲にするんですね。まぁ他は難しいそうなのでそれがいいかもです!』
 『うんうん。なんで雲と学校、日本って中からなんだろう。』
 『なんででしょう・・』
 『それよりさぁ、その国語の作文もだけど、あと国についての作文もあるじゃん。出来ないの!』
 『雫さん・・あと何日だと思っているんですか?』
 『・・1週間?』
 『バカですか!バカですね!あと5日です!5日!』
 『めずっ、志綾ちゃんがバカって使ってる~』
 『雫さんはバカです。』

 志綾はスタンプの中からバカと煽っているスタンプを見つけ、それを送った。

 スマホを持っている志綾は小さく微笑む。

 『雫さん。行き詰まっているなら電話しませんか?アドバイスできるならしたいです。お世話になっている雫さんですから』
 『え、いいのーありがとう!ありがとう』

 雫が泣いているウサギのスタンプが送られてきた。早速雫から電話がかかってくる。

 『もしもし?志綾ちゃん、志綾ちゃん』
 「もしもし。雫さん。こんばんは。」
 『こんばんはー志綾ちゃん。』
 とっても嬉しそうな雫の声に志綾までもが、幸せになる。

 「雫さん。終わってないのは作文だけですか?」
 『うへぇへへ。実はね課題ぜーんぶ終わってないの。』
 「雫さん・・・いいでしょう。明日勉強会しましょう。」
 『やったー!やっだ!やった!』

 雫の反応に志綾も顔が綻ぶ。

 「もう夏休みも終わりですね・・」

志綾の最後の言葉に雫は何も言わなかった。
 
 
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