越えられない壁で僕らの幸せは・・・

綾瑪 東暢

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向き合う時

手違い

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 「西塚王高等学校から合格通知が来ている。」

 その先生の言葉に私は息を呑んだ。先生は言葉を続ける。
 「どうして王学校から来ているのかつなぎから説明が欲しい。学校側は本人に聞くようにしか言ってくれなくてな。」
 「せ、先生・・。私はっ。」
 緊張?わかんない。でも言葉が揺らぐ。
 「志綾しあ・・・」
 隣でなつが私を見る。どうすると。わからない。私はどうすべき・・高校生になるまで私は男とあまりバラしてはいけない。どこから当主様の耳に入るかわからないから。もし、先生に、砂長すなが先生に言ってバレてしまったら・・私は、壱竺いちじく南恵みなえとの約束が・・。
 「手違いなのか?いや、だかこんな間違いが起きるのか?」
 「え、あっ・・・せ、先生・・」
 先生は私の回答を待っている。ここにここに茶泉とい様がいればっ・・・
 「な、夏・・さん。お願いがあります。」
 「な、なんだ?」
 「茶泉、茶泉様を呼んできてください・・茶泉様を・・」
 「いいですか?」
 「そうだな、みちびの合格は伝えた、戻っていい。かなめを連れてくるのも構わない。」
 「では、失礼します。」
 

 早く、早く・・だめ、落ち着かない・・。茶泉様。

 「志綾!」
 「あ、と、茶泉様・・・」
 「何があった?」
 「要。隣に座りなさい。話すから。」
 「はい・・。」
 茶泉様が私の手を握る。大丈夫だと。

 「繋志綾の合格先は王学校からきた。それを説明して欲しい。」
 「西塚王高等学校?から?」
 「そうだ。どうして王学校から・・」
 「・・・砂長先生。俺たちと誰にもバラさないと約束してくれますか?」
 「話を聞いてから決めよう。」
 「・・・・わかりました。志綾。話そう。砂長先生なら大丈夫だ。」
 「茶泉様・・・」
 
 茶泉様は頷く。私は茶泉様と握る手を強めた。
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