180 / 278
向き合う時
念願
しおりを挟む
子供を作れない私は繋家にいらない。そんなふうに周りから見られていた気がする。
薫様の顔に泥を塗る。そんなことしたくないのに、でも体は子供はそんな私を助けくれない、どころかもう産めない体にしようとする。
志綾ができるまで私は毎日夜泣いていた。お疲れなのに薫様は私が寝るまでそばに居てくれる。
本来、長女と長男。私と薫様は要家になるのが普通。それなのに私のわがままで繋家にしてもらった。なのに、私は誰1人の期待にも応えられていない。
重圧が私を潰す。決して誰も早く子供を産んでくれとは言わない。でも、目が態度が、私にそれを言う。疲労と負担と重圧で今にも死んでしまいたい。
「茅鶴様。良い報告と悪い報告があります。」
2人目の子供を失って1年経たない頃のこと、まだ両家の医療班である宮南瀬に言われた。薫様と私はもちろん良い報告を先に聞いた。
「子供が成長しています。」
その言葉を聞いて私は嬉しかった。感謝を言おうとした時宮南瀬が止める。
「悪い報告を聞いてください。」
私と薫様は唾を飲む。
「一つは、残念ながら子供の性別が男です。」
一つということはこれだけじゃない。
「二つは、これ以上子供を作ろうとすると茅鶴様の体が壊れます。」
どんな反応をすれば良いのかわからない。
「宮南瀬、とりあえず、性別は良い。子供が作れないのは、どうしてた?」
「病気の一種です。それだけしか申し上げれません。」
私は2人の話を聞くことしかできない。もちろん、私も性別は興味がない。でも、要家にはあと2人女が必要。なのに、1人しか・・・。
私は崩れるように床に滑り落ちた。薫様が私の名前を叫ぶ。
「か、薫・・・わ、わたしは」
私はいらない。
薫様の顔に泥を塗る。そんなことしたくないのに、でも体は子供はそんな私を助けくれない、どころかもう産めない体にしようとする。
志綾ができるまで私は毎日夜泣いていた。お疲れなのに薫様は私が寝るまでそばに居てくれる。
本来、長女と長男。私と薫様は要家になるのが普通。それなのに私のわがままで繋家にしてもらった。なのに、私は誰1人の期待にも応えられていない。
重圧が私を潰す。決して誰も早く子供を産んでくれとは言わない。でも、目が態度が、私にそれを言う。疲労と負担と重圧で今にも死んでしまいたい。
「茅鶴様。良い報告と悪い報告があります。」
2人目の子供を失って1年経たない頃のこと、まだ両家の医療班である宮南瀬に言われた。薫様と私はもちろん良い報告を先に聞いた。
「子供が成長しています。」
その言葉を聞いて私は嬉しかった。感謝を言おうとした時宮南瀬が止める。
「悪い報告を聞いてください。」
私と薫様は唾を飲む。
「一つは、残念ながら子供の性別が男です。」
一つということはこれだけじゃない。
「二つは、これ以上子供を作ろうとすると茅鶴様の体が壊れます。」
どんな反応をすれば良いのかわからない。
「宮南瀬、とりあえず、性別は良い。子供が作れないのは、どうしてた?」
「病気の一種です。それだけしか申し上げれません。」
私は2人の話を聞くことしかできない。もちろん、私も性別は興味がない。でも、要家にはあと2人女が必要。なのに、1人しか・・・。
私は崩れるように床に滑り落ちた。薫様が私の名前を叫ぶ。
「か、薫・・・わ、わたしは」
私はいらない。
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説
【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。
白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。
最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。
(同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!)
(勘違いだよな? そうに決まってる!)
気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。
目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
サポ
雄
BL
185.95.32ジムで追い込んでは男を漁る谷口啓太。元はノンケで大学の頃に喰われノンケしてたはずがいつの間にか尺犬に仕込まれたラグビー部上がり。
自分よりマッチョな男に使われるのも好きだが年下の細身やぼて腹の親父に使われるのも好きな変態に。
傷だらけの僕は空をみる
猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。
生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。
諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。
身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。
ハッピーエンドです。
若干の胸くそが出てきます。
ちょっと痛い表現出てくるかもです。
学園の天使は今日も嘘を吐く
まっちゃ
BL
「僕って何で生きてるんだろ、、、?」
家族に幼い頃からずっと暴言を言われ続け自己肯定感が低くなってしまい、生きる希望も持たなくなってしまった水無瀬瑠依(みなせるい)。高校生になり、全寮制の学園に入ると生徒会の会計になったが家族に暴言を言われたのがトラウマになっており素の自分を出すのが怖くなってしまい、嘘を吐くようになる
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿です。文がおかしいところが多々あると思いますが温かい目で見てくれると嬉しいです。
普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。
かーにゅ
BL
「君は死にました」
「…はい?」
「死にました。テンプレのトラックばーんで死にました」
「…てんぷれ」
「てことで転生させます」
「どこも『てことで』じゃないと思います。…誰ですか」
BLは軽い…と思います。というかあんまりわかんないので年齢制限のどこまで攻めるか…。
王道にはしたくないので
八瑠璃
BL
国中殆どの金持ちの子息のみが通う、小中高一貫の超名門マンモス校〈朱鷺学園〉
幼少の頃からそこに通い、能力を高め他を率いてきた生徒会長こと鷹官 仁。前世知識から得た何れ来るとも知れぬ転校生に、平穏な日々と将来を潰されない為に日々努力を怠らず理想の会長となるべく努めてきた仁だったが、少々やり過ぎなせいでいつの間にか大変なことになっていた_____。
これは、やりすぎちまった超絶カリスマ生徒会長とそんな彼の周囲のお話である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる