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向き合う時

念願

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 子供を作れない私はつなぎ家にいらない。そんなふうに周りから見られていた気がする。

 かおる様の顔に泥を塗る。そんなことしたくないのに、でも体は子供はそんな私を助けくれない、どころかもう産めない体にしようとする。

 志綾しあができるまで私は毎日夜泣いていた。お疲れなのに薫様は私が寝るまでそばに居てくれる。

 本来、長女と長男。私と薫様はかなめ家になるのが普通。それなのに私のわがままで繋家にしてもらった。なのに、私は誰1人の期待にも応えられていない。
 重圧が私を潰す。決して誰も早く子供を産んでくれとは言わない。でも、目が態度が、私にそれを言う。疲労と負担と重圧で今にも死んでしまいたい。


 「茅鶴ちづる様。良い報告と悪い報告があります。」

 2人目の子供を失って1年経たない頃のこと、まだ両家の医療班である宮南瀬みなせに言われた。薫様と私はもちろん良い報告を先に聞いた。
 
 「子供が成長しています。」

 その言葉を聞いて私は嬉しかった。感謝を言おうとした時宮南瀬が止める。

 「悪い報告を聞いてください。」

 私と薫様は唾を飲む。

 「一つは、残念ながら子供の性別が男です。」

 一つということはこれだけじゃない。

 「二つは、これ以上子供を作ろうとすると茅鶴様の体が壊れます。」


 どんな反応をすれば良いのかわからない。

 「宮南瀬、とりあえず、性別は良い。子供が作れないのは、どうしてた?」
 「病気の一種です。それだけしか申し上げれません。」

 私は2人の話を聞くことしかできない。もちろん、私も性別は興味がない。でも、要家にはあと2人女が必要。なのに、1人しか・・・。



 私は崩れるように床に滑り落ちた。薫様が私の名前を叫ぶ。


 「か、薫・・・わ、わたしは」


 私はいらない。
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