越えられない壁で僕らの幸せは・・・

綾瑪 東暢

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向き合う時

以来

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 「志綾しあちゃん。」
 「志綾。」

 2人は私を見つめて名前を呼ぶ。

 「あの、こおさん。キャラ設定どうしたんですか?」
 
 あの事件以来氷さんとしずくさんから学校で何回も同じ質問をされる。2人も配慮してくれているのか、周りに生徒がいないのを確かめてから。

 「志綾。話を逸らすから、戻せないんだ。」
 「話を逸らしてあるつもりは無いんですが・・・私はちゃんと話していますよ。」
 「答えが違うの。」
 「私の答えがお2人の考え通りでないことは知っています。ですが、私の答えは・・・ずっと言っています。今更答えを変えるつもりもありません。」
 「志綾ちゃん。本心を言わないと私達には伝わらないよ」
 「私は本心を言っています。」
 「じゃあ志飛しとにかわ・・・ん」
 雫さんが志飛と言おうとする前に私は口を押さえた。
 「あれ?何やってるの?」
 「つい。」
 「お兄ちゃん、最近志綾ちゃん達と仲良いね。」
 「どうしましたか?水さん。」
 「こんな人気のないところで何やってるのかなって気になっただけだよ。あ、そうだ。お兄ちゃんに言わないといけないことあったんだ。お兄ちゃん、今日の夜叔父さんが家に来るって。夕飯食べに行こうだってさ。」
 「ッ・・分かった。ありがとう。」
 「うんん。じゃあね。3人とも。」 
 「はい。」
 雫さんの口から手を離す。雫さんは「あぶな」と溢した。
 「気をつけてください。」
 「ごめんなさい。」
 「氷さん?大丈夫ですか?」
 「あぁ。取り敢えず、今日はもういいや。」
 「今日だけではなくもう辞めてください。どれだけ聞いてこようが私の意見は変わりませんからね?」
 そう言うと氷さんは何も言わずに戻って行った。
 「帰りましょう。雫さん。」
 「うん。」
 
 
 
 



    





 僕は、血の繋がりが嫌いだ。
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