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向き合う時

考えていること(4)

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 茶泉とい雪都ゆきとが一緒に来るとは思っていなかった。
 雪都は志綾達と組むと思っていた。

 俺は雪都に嫌われていると思う。

 班を組んでから雪都は自己紹介以外話してくれなくなった。

 志綾しあと喧嘩する前は普通だったと思う。
 勉強も教えてあげて、志綾と茶泉の面白いやり取りも一緒に笑って、雪都とは良い関係を築けていたと思う。
 一回だけ志綾に『雪都さんのこと苦手ですか?』と聞かれた。志綾は少しの動作で嘘を見抜くから素直に「可愛いやつだと思う」と答えた。本当に素直な答え。嘘偽りのない本心。その時の志綾はホッとしたような申し訳なさそうな顔をした。逆に『雪都は俺のこと苦手なのかな』と志綾に聞いてみた。志綾は「そうですね・・・雪都さんは夏さんに嫌われている気がすると言っていました。」そう言われて悲しくなったような、やっぱりと思ったような複雑だった。

 「雪都さんを雪都さん自身で見てあげてくださいね。」
 
 そう志綾に言われた。

 雪都を雪都としてみる。当たり前なのに、どこか・・・ぐさっと体に鋭利な刃物が突き刺さす痛みが走った。

 「雪都は人間だ。雪都として見ないなら雪都と関わるな」

 そう茶泉に言われた。

 雪都として見ないなら関わるな。ちゃんと雪都として見ているのに、また、突き刺す痛みが走る。

 「僕は、普通じゃないけど普通の1人の雪都として生きたいの」

 そう雪都自身が言った。

 普通。普通とはどこからが普通なんだろう。

 雪都も入る?

 ・・・そうか・・・そう言うことか。

 僕は無意識に雪都を差別していたんだ。

 2人が言った雪都自身は『成長が遅い』のも雪都であると。そのことに目を向けるのではなく、目の前にいるのが誰かと言うこと・・・雪都だ。あれは雪都だ。志綾と茶泉と俺となんら変わらない雪都だ。

 俺の態度が・・もうだめだったんだな
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