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向き合う時
二学期
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「おはようございます。今日から二学期が始まります。受験生として行動するべきことを考えてください」
副担任の先生が担任に変わって言う。
「それから、志綾さん。後で職員室に来てください。」
「あ、はい!」
「志綾様何かしたの~?」
「きっと志綾ちゃんを褒めると思いますよ。」
二学期から物槨令が戻って来た。
志綾とは気まずくはならなかった。
学校側ももう良いだろうということで物槨令を許した。
「いやきっと昔に何かやらかしたこと怒られるんだな」
荼泉が頷きながら呟く。
荼泉とも喋るようになった。
「・・・・」
「コラっ!そこの3人。静かにしなさい。」
副担任が3人を指差して言う。
「先生~。なんで志綾様を呼んだんですか~?」
「あなた達には関係ありません。続けますよ。」
雪都にきっぱり言って視線を他の生徒に移した。
志綾は斜め後ろを向く。後ろには手をさすっている夏輝斗が無言で副担任を見ている。物槨令が志綾の肩をちょんちょんする。
「志綾ちゃん。志綾ちゃん。」
小声で喋りかけて来た物槨令に合わせて志綾も小声で喋った。
「どうしましたか?」
「職員室ついててもいい?」
「いいですけど・・・何かありますか?」
「そういうわけじゃないけど、一緒にいたいから」
「分りました。一緒に行きましよう。」
「わーい!しあちゃん、優しい。」
「あー雫さんー声が」
「もう一度言う!そこうるさいぞ!何回言わせればすんだ!」
「わわーごめんなさい」
朝のホームルームが終わり志綾と雫は、教室を出て職員室に向かった。終始志綾は夏輝斗のことを見ていたが、雫に「志綾ちゃん早く行こう。」と言われて「はい」と声を上げて夏輝斗から視線を外した。
職員室で言われたのは「昔に私のふりをして生徒の家に行ったことどうして言ってくれなかったんですか?」ということだった。すべての事情を話せなかったが、概ね話した。副担任は少しだけ納得したのかすぐに帰してくれた。教室に戻って夏輝斗の方を見てみると姿がなかった茶泉に聞いてみても「悪い、見てなかった」と雪都に聞いてみても「ごめんね~僕寝てた~」と。誰も夏輝斗を見ていなかった。
トイレとかにでも行ってるのかと勝手に想像して、雫と席に着いた。
だが、一限経っても夏輝斗は帰ってこなかった。探しに行こうと思ったが、荼泉に止められた。
「どうしてですか?荼泉様。」
「夏輝斗とは仲直りできてないんだろう?」
「はい・・・あと筒夏さんとも・・・」
「夏輝斗とは離れたほうがいい。何が起こるか分からないからな」
茶泉様がそんなこと言うと思わなかった。ただ追いかける気になれなかったのもまた事実だった。
副担任の先生が担任に変わって言う。
「それから、志綾さん。後で職員室に来てください。」
「あ、はい!」
「志綾様何かしたの~?」
「きっと志綾ちゃんを褒めると思いますよ。」
二学期から物槨令が戻って来た。
志綾とは気まずくはならなかった。
学校側ももう良いだろうということで物槨令を許した。
「いやきっと昔に何かやらかしたこと怒られるんだな」
荼泉が頷きながら呟く。
荼泉とも喋るようになった。
「・・・・」
「コラっ!そこの3人。静かにしなさい。」
副担任が3人を指差して言う。
「先生~。なんで志綾様を呼んだんですか~?」
「あなた達には関係ありません。続けますよ。」
雪都にきっぱり言って視線を他の生徒に移した。
志綾は斜め後ろを向く。後ろには手をさすっている夏輝斗が無言で副担任を見ている。物槨令が志綾の肩をちょんちょんする。
「志綾ちゃん。志綾ちゃん。」
小声で喋りかけて来た物槨令に合わせて志綾も小声で喋った。
「どうしましたか?」
「職員室ついててもいい?」
「いいですけど・・・何かありますか?」
「そういうわけじゃないけど、一緒にいたいから」
「分りました。一緒に行きましよう。」
「わーい!しあちゃん、優しい。」
「あー雫さんー声が」
「もう一度言う!そこうるさいぞ!何回言わせればすんだ!」
「わわーごめんなさい」
朝のホームルームが終わり志綾と雫は、教室を出て職員室に向かった。終始志綾は夏輝斗のことを見ていたが、雫に「志綾ちゃん早く行こう。」と言われて「はい」と声を上げて夏輝斗から視線を外した。
職員室で言われたのは「昔に私のふりをして生徒の家に行ったことどうして言ってくれなかったんですか?」ということだった。すべての事情を話せなかったが、概ね話した。副担任は少しだけ納得したのかすぐに帰してくれた。教室に戻って夏輝斗の方を見てみると姿がなかった茶泉に聞いてみても「悪い、見てなかった」と雪都に聞いてみても「ごめんね~僕寝てた~」と。誰も夏輝斗を見ていなかった。
トイレとかにでも行ってるのかと勝手に想像して、雫と席に着いた。
だが、一限経っても夏輝斗は帰ってこなかった。探しに行こうと思ったが、荼泉に止められた。
「どうしてですか?荼泉様。」
「夏輝斗とは仲直りできてないんだろう?」
「はい・・・あと筒夏さんとも・・・」
「夏輝斗とは離れたほうがいい。何が起こるか分からないからな」
茶泉様がそんなこと言うと思わなかった。ただ追いかける気になれなかったのもまた事実だった。
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