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向き合う時

足りないよ

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 「しずくさん~!おまたせしました・・・?」
 志綾しあちゃんが走ってきた時私がお爺さんと話していて戸惑っていた。
 「待ってないよー。志綾ちゃんが来るまでお爺さんとお話ししていたんだ。」
 「お知り合いですか?」
 「うんん。世間話が弾んじゃって」
 「良いんですか?」
 「話し相手になってくれてありがとうね。」
 「じぁあね。お爺さん。」
 「ほれ、みみをかせ」
 「?」
 志綾ちゃんをそっちのけでお爺さんに耳を貸す。
 「『志綾ちゃん』を大事にしなさい」
 そう小さい声でお爺さんは呟いた。私はニコッと笑顔を作って「うん!」と言った。
 「行こう。志綾ちゃん。」
 「はい!」



 図書館に入る。
 「やっぱり図書館は静かで落ち着きますね・・」
 「よく来るの?」
 「はい。荼泉とい様と。」
 「・・・」
 「でも、最近荼泉様と喋っていないんです。」
 それを聞いて私は小さく「やった」と呟いた。
 「・・・そんなやつ忘れて今日は図書館で勉強しよう。教えて欲しいところがあるの」
 「良いですよ。人に教えるのも勉強の一環ですから。」
 「やった!」
 「静かにしましょう。」
 奥の方に空いている席があり私たちはそこに座った。
 「雫さん。一つ聞いても良いですか?」
 「うん・・・」
 「雫さん。集中力が切れたと言うのは嘘ですよね?」
 「え、なんで?」
 「ただの感です。」
 「・・・うん、ごめん。志綾ちゃんに会いたくて」
 「攻めていませんよ。逆に嬉しいです。私を誘ってくれてありがとうございます。」 
 「うぐっ」
 「雫さんっ?!」
 私が腕で目を隠したから泣いたと思った志綾ちゃんが私を心配する。
 「泣いてないよ。志綾ちゃんが友達で良かった。」
 
 自分で言った『友達』と言う言葉に悲しくなった。

 「雫さん。恥ずかしんですが・・・雫さんとは親友だと思っています。」
 「・・・もう。志綾ちゃんはどんだけ私を殺すの。心臓がいくつあっても足りないよ。」
 「勉強しましょう。教えますよ。」
 「うん!」


 私と志綾ちゃんは3時まで勉強をした。
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