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本格的に

ありがとう

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 真泉まいが次に目を覚ましたのは病院だった。
 「・・・」
 「真泉?」
 時咲とさの声が隣からした。横に視線をやると今にも泣きそうな顔していた。
 「お、お母様・・・」
 「良かった」
 「あの後・・・どうなったんですか?」
 「今は休んで・・・お医者様呼んでくるから」
 
 時咲は逃げるように病室を出た。

 (最後に聞いた声はかなめ家の家の者ではなかった。あれば・・・志綾しあ様の・・・いや、それはないな。志綾様は・・・来るはずがない。じゃあ誰が?)

 「真泉。」
 病室に低い声が届いた。真泉の体はビクッと跳ねた。
 「お父様・・・。ごめんな・・・
 「悪かった」
 「え?」
 「悪かった。お前に無理させたからな。時咲に怒られた。」
 「い、いえ。頼られて嬉しかったのにこの様で申し訳ございません。」
 「いい。大丈夫だ。」
 病室に来たなぎは真泉の頭を撫でる。

 
 「あの、誰が助けてくれたんですか?」
 「様子を見に行ってると言ったのは荼泉といだ。だから荼泉だと思うが?」
 「そうなんですか?」
 (でも、あれば荼泉の声ではなかった。でも、言わないでおこう)
 「時咲の言っていた通り、今はゆっくり休め。」
 「・・!あの、使い達は?」
 「隣の病室で寝ている。お前よりは軽傷だったから。」
 ほっとしたのかふぅーと息を吐いた。


 医者が検査をしてからいなくなった。
その後、咲泉さいと茶泉が来た。その隣には志綾がいた。
 「真泉様。目が覚めたと聞いたのでお見舞いに来ました。」
 志綾様が果物の入ったカゴをそばに置いて言う。
 (あぁこの声だ。この優しい声が聞こえたんだ。いまだに信じられないが、志綾様だ。)
 「ありがとうございます。」
 少しだけ掠れた声で言う。
 「なにがですか?あ、これですか?全然、」
 志綾は分かってて知らないふりをした。バレてもいいとしょうがないとあの時助けたからだ。









 

 志綾が真泉を助けに来れたのは荼泉のおかげ。
 荼泉は何か嫌な感覚を覚えて、『様子を見てくる』と家に言ってからつなぎ家に行った。
 「志綾と話したいことが」
 そう言って家に上がった。
 「志綾。」
 「荼泉様。」
 勉強をしていた志綾はメガネを外してペンを置いた。
 「えーと。・・・図々しいお願いだって分かってる。俺、依頼を当主様から受けていたんだ。でも、志綾にどう切り出していいのか分かんなくて・・・俺、一人でやったんだけど血を、血を見たくなくて・・・罰しただけで逃したんだ。その後、当主様にばれて、真泉兄さんが尻拭いに行ったんだ。嫌な、嫌な予感がして、お願いだ。一緒に、真泉兄さんの様子を見に行ってくれないか?」
 下を向いて手を握る。その握られた手を上に志綾は自分の手をおいて
 「いいですよ。荼泉様。私は、僕は、貴方の殺し屋の部分だ。貴方の一部だ。」
 「ありがとう。ありがとう」
 
 すぐさま、家を後にする。バレないように出て。使い達に協力してもらい真泉の場所を見つけ出した。逃げた相手もちゃんと殺した。



 「お待たせしました。真泉様。」


 傷だらけの真泉を協力関係にある病院に連れて行ってもらい。使い達も同じようにした。


 バレてもしょうがない。今回は特別。真泉様が、優しい人だといいけど。
 
 バラさない優しい人だと。

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