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本格的に
希望は
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兄に・・・咲兄に大丈夫だと言ったのにこの様は・・・ないな。
あいつらは・・・あいつらは無事なのか?
真泉は荼泉の尻拭いに来たが結果、真泉は失敗した。
殺す相手には逃げられ、使いと真泉は致命傷を負った。
誰も助けを呼びにいけない状況。きっと誰も来ないだろう。
死を覚悟する。
「あぁ、僕、死ぬのかな。」
珍しく、言葉に思いを口にする、「まだ、死にたくない」と。
真泉は久しぶりに父に当主に頼られた。
頼られることは真泉自身をまだ必要としてくれると思わせてくれる行為。だから、頼ってくれなかった今までは真泉自身、要家に必要ないのではと思っていた。今、真泉は実感してる。
「あぁ、本当に僕は要家に必要ないな。咲兄は頭が切れるし、殺せと言われた相手を殺すことができる。荼泉は、悔しくいけど僕よりも秀才。今日は、違ったが、咲兄と一緒で殺せる。なんで、僕だけ・・・こうなんだろう。悔しいなぁ」
痛みを我慢しながら思いを言葉にして吐く。
「死にたくない。死にたくないよ。死にたくない。」
何回も何回も「死にたくない」と溢す。
目の前にいる使いが顔をあげた。その使いは真泉を見て「真泉様」と呼んだ。
「真泉様。・・・す、すみません・・・私達のっ・・・力不足で。うっ・・・
「喋るな。お前も・・・怪我してるだろ?」
「・・・真泉様よりは酷くありません。真泉様っ・・申し訳ありません・・・私を庇ってそんな大怪我を・・・助けをっ今」
使いは立ち上がって遠くに落ちたスマホを取りに行こうとするが足に怪我しているのか立てない。
「無理をするな・・・そのまま寝ていな。」
「ですが・・・その怪我では」
「そうだな・・」
真泉は静かに目を閉じてまた開く。使いを見る。
使いは苦しそうな顔をした。いつの間にか気づかないうちに真泉は涙を流す。
「ぼ、ボク・・・死にたくない!」
「申し訳ございません・・・」
何もできない使いは頭を地面に擦り付ける。
涙と赤い液がポタポタ、地面に落ちる。頬に流れ、手を伝う。
真泉は使いを庇い上から落ちて来た大きめな石が頭を直撃した。
だんだんと真泉は吐き気がして来て、視界も悪くなって来た。
「・・・」
言葉も何も言わなくなって使いとの会話はなくなった。
使いは涙を流しながら頭を地面から離さない。精一杯の土下座。
もう、視界が真っ赤。
誰も助けに来ない・・・
荼泉とはあまり喋らなかったな。僕自身が嫉妬心で避けてしまったから。
咲兄も僕のこと心配してくれていたのに・・本年を打ち明けられなかった。
お父さんにはもっと頼ってほしかった。荼泉に言った『真泉の方がいい仕事をしてくる』と聞いた時、嬉しかった。初めて、仕事を見てくれていたんだと、嬉しかったんだ。
お母さんは僕のこと、気にかけてくれてよく喋りかけてくれたのに強い言葉を使ってしまった。・・・お母さんのご飯、食べたいな。お父さんに怒られた時、お母さん、僕だけに特別なご飯を作ってくれた。・・・嬉しかったなぁ
死ぬ間際に家族のことを考えてしまった。走馬灯・・・かな。
希望は消えた。
目の前が真っ暗になった。
もう終わった・・・・----------
あいつらは・・・あいつらは無事なのか?
真泉は荼泉の尻拭いに来たが結果、真泉は失敗した。
殺す相手には逃げられ、使いと真泉は致命傷を負った。
誰も助けを呼びにいけない状況。きっと誰も来ないだろう。
死を覚悟する。
「あぁ、僕、死ぬのかな。」
珍しく、言葉に思いを口にする、「まだ、死にたくない」と。
真泉は久しぶりに父に当主に頼られた。
頼られることは真泉自身をまだ必要としてくれると思わせてくれる行為。だから、頼ってくれなかった今までは真泉自身、要家に必要ないのではと思っていた。今、真泉は実感してる。
「あぁ、本当に僕は要家に必要ないな。咲兄は頭が切れるし、殺せと言われた相手を殺すことができる。荼泉は、悔しくいけど僕よりも秀才。今日は、違ったが、咲兄と一緒で殺せる。なんで、僕だけ・・・こうなんだろう。悔しいなぁ」
痛みを我慢しながら思いを言葉にして吐く。
「死にたくない。死にたくないよ。死にたくない。」
何回も何回も「死にたくない」と溢す。
目の前にいる使いが顔をあげた。その使いは真泉を見て「真泉様」と呼んだ。
「真泉様。・・・す、すみません・・・私達のっ・・・力不足で。うっ・・・
「喋るな。お前も・・・怪我してるだろ?」
「・・・真泉様よりは酷くありません。真泉様っ・・申し訳ありません・・・私を庇ってそんな大怪我を・・・助けをっ今」
使いは立ち上がって遠くに落ちたスマホを取りに行こうとするが足に怪我しているのか立てない。
「無理をするな・・・そのまま寝ていな。」
「ですが・・・その怪我では」
「そうだな・・」
真泉は静かに目を閉じてまた開く。使いを見る。
使いは苦しそうな顔をした。いつの間にか気づかないうちに真泉は涙を流す。
「ぼ、ボク・・・死にたくない!」
「申し訳ございません・・・」
何もできない使いは頭を地面に擦り付ける。
涙と赤い液がポタポタ、地面に落ちる。頬に流れ、手を伝う。
真泉は使いを庇い上から落ちて来た大きめな石が頭を直撃した。
だんだんと真泉は吐き気がして来て、視界も悪くなって来た。
「・・・」
言葉も何も言わなくなって使いとの会話はなくなった。
使いは涙を流しながら頭を地面から離さない。精一杯の土下座。
もう、視界が真っ赤。
誰も助けに来ない・・・
荼泉とはあまり喋らなかったな。僕自身が嫉妬心で避けてしまったから。
咲兄も僕のこと心配してくれていたのに・・本年を打ち明けられなかった。
お父さんにはもっと頼ってほしかった。荼泉に言った『真泉の方がいい仕事をしてくる』と聞いた時、嬉しかった。初めて、仕事を見てくれていたんだと、嬉しかったんだ。
お母さんは僕のこと、気にかけてくれてよく喋りかけてくれたのに強い言葉を使ってしまった。・・・お母さんのご飯、食べたいな。お父さんに怒られた時、お母さん、僕だけに特別なご飯を作ってくれた。・・・嬉しかったなぁ
死ぬ間際に家族のことを考えてしまった。走馬灯・・・かな。
希望は消えた。
目の前が真っ暗になった。
もう終わった・・・・----------
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