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本格的に
遠くに(2)
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一回。綾の入院先に志綾は行った。
病室を覗くと窓から寂しそうに遠くを見ている綾がいた。
「あ、志綾。」
「こんにちは。」
志綾に気づいた綾は頭を下げて挨拶した。
「どうですか?体調の方は?」
「いま落ち着いているわ」
「よかったです。」
「大家さんはどんな具合?」
「お元気ですよ。綾さんが言った通り大家さんはみんなを笑顔にするお方ですね。」
「えぇ。そうでしょう。」
本当に嬉しそうな顔をして言う。
「そういえば綾さん。今日、大家さんのところに行ったら白恵と言うお方に会ったんですが・・・お知り合いですか?」
「あぁ白恵君か・・・白恵君は兄みたいな存在。私と5歳さの子で。大家さんの息子さん。」
「・・・白恵さんにだけでも言いませんか?」
「言わないわ。」
「綾さんがそう言うなら分かりました。」
「それから、志綾。もうここには来ないで。貴方は綾なんだから。二人綾がいたらおかしいでしょう?貴方は私の変わり。ほら、早く帰って。綾。」
「また、また来ますね」
「もう。」
綾は困った顔をした。でも笑顔を作って「来ちゃダメだからね」と言った。
志綾が帰った後綾は窓まで立ち上がり帰る姿を見た。
「ふふ。妹みたいな存在ね。」
「なんだか嬉しそうですね。綾さん。」
後ろから看護師さんが話しかけた。綾は「はい」と笑顔で返事をした。
「私に妹みたいに可愛い存在が出来たんです。」
そう嬉しそうに呟いていた。とその時話を聞いていた看護師さんは志綾に言う。
「綾さん、よく貴方のことを私に話していたんです。」
聞いている志綾は看護師さんの手を取って「姉の側に最後までいてくれてありがとうございます。」と涙を流しながら笑顔を作って言う。
綾は志綾が見舞いに来た五ヶ月後に亡くなった。
大家はそのことを知らないまま志綾を綾だと思う。
志綾は大家に申し訳なくて行くのを躊躇っていた。駿河音のことがあり行く勇気が出た。だから五ヶ月ぶりに綾として大家に会いに行った。
「大家さん。お久しぶりですね。」
「ああそうだね。綾さん。」
部屋に入って志綾のように丁寧に座った。
病室を覗くと窓から寂しそうに遠くを見ている綾がいた。
「あ、志綾。」
「こんにちは。」
志綾に気づいた綾は頭を下げて挨拶した。
「どうですか?体調の方は?」
「いま落ち着いているわ」
「よかったです。」
「大家さんはどんな具合?」
「お元気ですよ。綾さんが言った通り大家さんはみんなを笑顔にするお方ですね。」
「えぇ。そうでしょう。」
本当に嬉しそうな顔をして言う。
「そういえば綾さん。今日、大家さんのところに行ったら白恵と言うお方に会ったんですが・・・お知り合いですか?」
「あぁ白恵君か・・・白恵君は兄みたいな存在。私と5歳さの子で。大家さんの息子さん。」
「・・・白恵さんにだけでも言いませんか?」
「言わないわ。」
「綾さんがそう言うなら分かりました。」
「それから、志綾。もうここには来ないで。貴方は綾なんだから。二人綾がいたらおかしいでしょう?貴方は私の変わり。ほら、早く帰って。綾。」
「また、また来ますね」
「もう。」
綾は困った顔をした。でも笑顔を作って「来ちゃダメだからね」と言った。
志綾が帰った後綾は窓まで立ち上がり帰る姿を見た。
「ふふ。妹みたいな存在ね。」
「なんだか嬉しそうですね。綾さん。」
後ろから看護師さんが話しかけた。綾は「はい」と笑顔で返事をした。
「私に妹みたいに可愛い存在が出来たんです。」
そう嬉しそうに呟いていた。とその時話を聞いていた看護師さんは志綾に言う。
「綾さん、よく貴方のことを私に話していたんです。」
聞いている志綾は看護師さんの手を取って「姉の側に最後までいてくれてありがとうございます。」と涙を流しながら笑顔を作って言う。
綾は志綾が見舞いに来た五ヶ月後に亡くなった。
大家はそのことを知らないまま志綾を綾だと思う。
志綾は大家に申し訳なくて行くのを躊躇っていた。駿河音のことがあり行く勇気が出た。だから五ヶ月ぶりに綾として大家に会いに行った。
「大家さん。お久しぶりですね。」
「ああそうだね。綾さん。」
部屋に入って志綾のように丁寧に座った。
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