越えられない壁で僕らの幸せは・・・

綾瑪 東暢

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本格的に

大家さん

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 「大家さん。お久しぶりですね。」
 「ああそうだね。あやさん。」
 部屋に入って丁寧に座る。
 「それで大家さんのお話ってなんですか?」
 「綾さん。最近、会いに来てくれなくて寂しかったんだ。爺さんもいなくなってしまってなぁ。」
 「大家爺さんが・・・」
 「爺さんがこれをいつか綾さんにって言われてなぁ」
そう言って志綾しあに小さな箱をあげた。
 「なんですかこれは・・・」
 「わたしも見てないからわからん」
 「見ても良いですか?」
 「ああわたしも気になる」
 そう言われたので机の上で開ける。
 「なんですかねこれ。」
 箱を開けると中身は小さいカレンダーだった。二人は頭を傾げる。
 「カレンダー?」
 「あはは、これ爺さんが死ぬ間際にしたガチャガチャの景品だわ。」
 楽しそうに大家は笑う。志綾は箱をまだ何かあるかもと探る。すると「あっ」と言う声をあげて大家に話しかける。
 「見てください。手紙です。」
 封筒を見せる。
 「読んでもらえるかい?」
 「はい。」
 志綾は目を閉じてからゆっくり目を開けて読み出した。
 「綾さん、こんにちは。この手紙を読んでいると言うことは箱と一緒に婆さんに貰ったということだな。婆さん、綾さん。このカレンダーは綾さんにあげようと思う。理由はそうだなぁ・・・。なんとなくだ!それで遺言なんだが・・・何もないんだが・・・そうだな、綾さんを我孫の白恵しろえと結婚させろ・・・・はぁ?結婚!大家さん!大家爺は何を考えているんだ?」
 「綾さん、続きを読んで」
 「あ、はい。白恵は少し変わってるからあまり好意を持たれないだろう。白恵も心を開いている綾さんになら任せられる。だからさ、綾さんを白恵と結婚させてくれ。お願いだ」
 志綾は読み上げて手紙を閉じた。志綾はため息をつく。
 「綾さん。遺言貸しおくれ」
 大家に手紙を渡す。すると大家は手紙を破いた。
 「え、良いんですか?大家さん」
 「良いんだよ。爺さんは二枚遺書を買いた欲張り野郎だから。それに白恵はもう素敵な人と結婚した。ほれ、これが住所だ久しぶりに後で行ってみると良い。白恵に会いたいだろう?お兄ちゃんみたいな仲だったからな」
 「・・・はい」
 少し気まずく返事をした志綾に気づかずに志綾と少し会話をして志綾を帰した。駿河音の部屋に寄って行った。
 「唯央いお。僕は帰るから」
 扉越しに行って部屋を後にした。


 「唯央。僕は帰るから」
 そう扉越しに聞いた声に駿河音は耳を塞いだ。
 「何も聞きたくない」
 そう小さく溢した。
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