越えられない壁で僕らの幸せは・・・

綾瑪 東暢

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本格的に

降参

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 数分後。あと2分で10分になろうとしている時、志飛しとのスマホがなった。
 「もしもし、」
 『飛綾とあ。男に変わる。』
 「・・・・」
 『あいつは無事か?』
 「あぁ」
 『は、吐くから吐くからそいつを解放してあげてくれ。頼む!そいつには家族が居るんだ。だから』
 「じゃあ、さっさと吐いて。そんな話、いつ僕が聞きたいって言った?」
 『そ、そうだよな。さくらって子がいる場所はだな・・・お前を連れて行かないといけない場所だよ!』
 急に声を荒げた男。電話の向こうからは何やら騒がしい音がする。志飛は電源を切って考えていると「飛綾!よけろ」と言う声が聞こえて瞬時に横に避けた。
 「お前っ!何をしているか分かってるんだろうな?」
 「家族が居るのは本当だが、お前の調べ方に問題があるんじゃないか?俺の家族も全員、お前を捕まえるために、協力してもらってる。」
 そう言った瞬間下から「捕まえた」と言う声が聞こえ、志飛は避けようとしたが足を掴まれていて体勢を崩した。
 「飛綾!」
 「来るな!」
 黧はその場に止まり、2人に捕まるところを眺めていた。グッと手に力を入れる。
 突然、扉が開き高校生ぐらいの女の子が入って来た。黧を見つけ、耳元で「無能だね」と呟いた。逃げるように捕まえている二人のところに駆け寄る。
 何やら三人で話しているが黧は聞いていない。

 そのまま、飛綾は捕まってしまった。 



 「お前を連れて行かないといけない場所だ!」
 そう呟いた後男はスマホを放り投げていつから縄を解いていたか分からないなつはポカンっと縄が解けている男をみる。
 「え、はあ?」
 「夏!後ろに下がれ、」
 「使い長・・・」
 銃を持った使い長が男を狙っている。
 「お前っ!わざと捕まったな。目的は飛綾かっ」
 「今更。今頃捕まってるんじゃないか?」
 「チッ」
 「今すぐ飛綾を見てこい!」
 使い長が声を上げる。
 「はい!」
 急いで教室を出た。

 駆け足で教室を覗いていく。飛綾の場所を知らない。一個ずつ急いで確認する。「違う」と呟きながら。

 何個かの教室を見てやっと飛綾達がいる教室を見つけた。
 「飛綾!」
 「夏!」
 「黧さん!?」
 「夏、黧、来るな!助けなくていい。使い長のところに戻れ!」
 そう飛綾が呟いた瞬間口を押さえられたのと銃声の音がした。
 「ん!んんん!」
 「静かにしてろ!」
 「ん!んん!」
 「離せ!」
 話を聞かずに夏は飛綾を捕まえている後に殴り掛かりに行こうとした瞬間腕を掴まれた。黧だ。
 「黧さん!」
 「飛綾には何か策がある。だから使い長のところに戻ろう。」
 「でも!」
 「・・・」
 「アハ。君たちは無能だね!無能!無能!」
 飛綾の足を掴んだ女が嘲笑うように言う。 
 「・・・」
 「戻ろ。」
 「で、すが・・・・・」
 「ッ!私・・・
 飛綾は男の手を払って喋る。また抑えようとするが手で払い避けながら
 「す、がねがき、・・て・・るから!」
 「!・・・本当に?」
 飛綾は口を押さえられながら頷いた。
 「わかった。夏。行くよ」
 手を引っ張って教室を出た。腕を引っ張られた夏は「どうして」と呟いて黧の手を払った。
 「もう少し先で話す。ここだと聞かれる。」
 そう言われてチラッと教室を見てから着いて行った。
 「さっき飛綾が言っていたことの意味分かった?」
 「いいえ、何かを言っていたのはわかったんですが・・・」
 「飛綾が言っていたのは『駿河音するがねが来てくれるから』って」
 「・・・駿河音?」
 「あ、君はあそこにいなかったのか。駿河音は飛綾の仕事仲間。そして俺の嫌いな奴。あ、最後のは気にしないで俺がそいつにトラウマがあるだけだから」
 「あ、・・・・仲間・・・そうか。」
 「?」
 「戻りましょう。黧さん。」
 「そうだね」
 黧は夏がおかしいことに気づいたが俺がやるべきことじゃないなと思い気付かないことにした。


 

 「なぜ!戻って来たのですか?!」
 狙っていた男の腕に銃弾を放った使い長は男をもう一度縄に縛りつけいた。
 「いつき。飛綾が『駿河音が来るから』って言ってたから大丈夫だと思う。大丈夫じゃなかったら俺が今度こそ出るよ。」
 「出てください。手伝ってください。異論は認めません。」
 「?」
 「あぁ、夏は知りませんか・・・黧はかなめ家の血筋です。長男です。しかも。」
 「!!黧さん!そんな」
 「樹。ちゃんと説明しろ。俺は縁を切ってるからもう要家の人間じゃない。」
 「良かったぁです。」
 「で、こいつどうするんだ?使い長様。」
 「こいつは取り敢えず、殺す。」
 「縄にしばりつけたのにか?」
 「居場所をはいてからだ。起きろ!」
 「どうやって吐いてもらうんだ?」
 「最終手段。起きろ!」
 「う、いって!」
 「居場所を吐いてもらう。吐け!」
 「吐くわけないだろっていっ、何をする!」
 「俺は飛綾みたいに優しくないからな。痛みを味わいたくないならいい加減吐くんだ。」
 「俺はッ殺されたって吐かねぇ」
 使い長は男が拒否するたびに足を撃った。もう、足は動かないだろう。
 「はぁ、はぁ。」
 二人とも目をつぶってる。
 「もう、良いだろ?」
 「はは。」
 「お前の忍耐は評価してやる。」
 「評価に免じて解放してくれないかな。はぁ、ハァ」
 「・・・」
 「わかった。降参。言うよ。その代わり、言った後、俺を殺してくれ。」
 「良いだろ。」
 「場所は」
 長々と色んなことを話した後、使い長は男を撃った。
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