越えられない壁で僕らの幸せは・・・

綾瑪 東暢

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本格的に

追いかけた先には

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 れいが家から出た志綾しあを追いかける。
 「黧さん。ありがとうございます。」
 「志綾の話を聞いていたら分かるよ。親には言ってないんでしょう?」
 「言っていません。」
 「まぁ、言ってたら言ってたでなんて言われるか分からないし、怒鳴られるか災厄・・・いや、これはないな。」
 「?」
 「災厄、家を出されるって言いたかったけど、繋家の一人娘は追い出されないか」
 「・・・そう、ですね。」
 走りながら会話する。  
 「それより、どこ向かってるんですか?」 
 「使い長から場所が送られて来たから」
 「なるほど・・早く行きましょう。」
 スピードを上げた。




 


 使い長に送られた場所に辿り着いた。
 「ここって・・・」
 「廃校だね。」
 「学校・・・」
 「夏輝斗君も行く?」
 「当然です。」
 二人は廃校に入った。
 「どこにいるかは分かってるんですか?」
 「もちろん」
 2階に進んでいく。2階に上がってすぐ右に曲がった。
 「いつき!」
 「黧、来たか。」
 「??」
 二人の友達感覚の話し方に戸惑った夏輝斗。使い長が夏輝斗に視線を向ける。
 「なつさん。飛綾とあは向こうの部屋にいます。」
 「黧はどうしてここに?」
 「飛綾が一人にさせてくれって」 
 「・・・俺が言って大丈夫でしょうか?」
 「大丈夫ですよ。」
 恐る恐る扉を開けて隣の部屋に入った。
 「夏?」
 夏輝斗の姿を見ずに質問する。
 「少しだけ待っていろ。」
 「わか・・・
 「静かに」
 飛綾が夏輝斗に命令する。その瞬間飛綾の向こうから「うっ」と言う呻き声が聞こえた。
 「起きたか?」
 「・・・お前!」
 「黙れ。僕が質問したことだけ答えろ」
 「答えるわけないだろ!」
 そう答えた誰かは飛綾に蹴られて床に転がった。
 「ガハッ!」
 「黙れと言った。」
 「お前みたいなガキに話してなんになる!」
 「お前には関係ない!僕が質問したことだけに答えろ。いいか?僕にはお前が大事にしているもの壊すことだってできるからな。それを忘れるなよ。質問だ?」
 飛綾の言葉から桜と言う名前が出て来たことに夏輝斗はびっくりした。
 「知らねぇ。」
 「嘘をつくな」
 壁に向かって足でドンと蹴った。
 「言うわけないだろ!」
 「アガッ」
 「だから、お前の大事な人がどうなってもいいのか?」
 「どうにもなんねぇよ。あいつとは縁を来たから俺の大事なもんでない。あいつは関係ない!」
 「関係なくても大事な人には変わらないだろ。チッ。これを見ろ。」
 手を話し、スマホを取り出した。
 「おい!そいつに何かしたら俺はお前を許さない!」
 「なら、話せ、吐け!」
 「うぐっ」
 「なら、お前が吐かないようなら十分経つごとにこいつにこの薬を飲ませる、。いいな?」
 「!その薬は」
 知っているのか反応をする。
 「ここにあいつを置いておく、話す気になったらこいつに言え、十分経ったらこいつに電話するからビデオ通話しようか、そこでお前の大事な人に薬を飲ませていく。」
 部屋から出て行こうとしている飛綾に男は「おい!待て!それは違うだろ」と一緒懸命止めていた。その呼びかけも虚しく飛綾は部屋を出て行った。
 部屋に残された夏輝斗は戸惑う。縄で縛られている男と二人っきり
 「おい!そこの」
 「は、はい!」
 「縄を解け」
 「え?」
 「早く解けって!」
 「無理です。飛綾にそんな指示を受けていないので」
 「はぁ、」
 「一つ聞いてもいいですか?」
 「あぁ」
 「何をしたんですか?」
 「・・・・」
 「質問を変えますね。何があったんですか?飛綾は」
 「桜がいなくなったみたいだな」
 「・・・桜さんが」
 




 
 部屋を出た後、使い長と黧を見る。
 「飛綾。」
 「樹・・・監視カメラで夏の様子をみていろ。もし、縄を取ったりするようなことがあれば止めに入れ」
 「飛綾は?」
 「向こう側にいく」
 「分かった。黧もついて行けば?」
 「来なくていい。」
 「・・・・」
 教室を出て行こうとした飛綾に黧がついて行く。
 「来なくていいと言っている」
 「俺がただ行きたいだけ、俺のことはいないと思っていい、それにこれから駿河音するがねも来るみたいだし、」
 「勝手にすれば」
 「勝手にする」

 黧は勝手に飛綾についていく。
 
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