越えられない壁で僕らの幸せは・・・

綾瑪 東暢

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本格的に

貴方には無理ですよ

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 「はぁ?俺がこいつと同じ仕事をしろってか?」
 れいが立ち上がり声を上げる。
 「落ち着け。無理強いをするつもりはない。ただ駿河音 唯麻するがね いおが黧と一緒に働いてくれるなら何もしないと言ったからな。近づいてほしくなければそう言えばいい。だから、身の安全も含めて僕に雇われてみる気はないか?」
 捕まっていた時に唯央に言った言葉と同じことを言う。
 「ああ、もう!分かった。だが!俺にも仕事がある。できることは少ない。それから駿河音。俺に近づくな喋りかけるな、いいな?」
 「はぁい~」
 とろけたような顔をして呟く。
 「仕事?黧。仕事は何をしている?」
 「・・・・漫画家だ。あまり売れてないがな」 
 頭を掻いて少し照れくさそうに呟いた。
 「・・・分かった。仕事の調整はこっちでやる。黧。僕は飛綾とあ。決して仕事をしている時、僕の本当の名を出すなよ」
 「は、はい・・・飛綾」


 「話は終わったみたいですね。そろそろ、どうしてその娘を雇うと言う経緯になったかご説明してください。」
 「使い長。実は」
 捕まってからのことを嘘偽りなく話した。
 「はぁ、面倒ごとを増やすお方だ。こちらの身にもなっていただきたい。」
 「使い長・・・」
 「志飛様。冗談です。貴方が本当に無事で良かったです。」
 使い長は手袋を外して志飛の頭を撫でた。

 「ねぇ~、質問!」
 「唯央。どうかしたか?」
 「使い長、使い長って言ってるけど誰なの?」
 「この人はかなめ家、つなぎ家の使い達をまとめている人。」
 「使いの長をやらせていただいている静川 樹しずかわ いつきと申します。」 
 丁寧に唯央に向けて挨拶する。
 「私、駿河音唯央。」
 「よろしくお願いします。」

 「志飛。」
 「荼泉?ど、うか?し、た?」
 「「志飛!(様)」」
 「あはは。大丈夫。倒れかけただけだから」
 「疲れてるんだろう?」 
 「うんん、大丈夫だ、から。荼泉何か言いたいことあるんじゃない?」
 「え、」
 「ない?」
 「・・・俺はそいつを雇うのに反対だ。」
 「・・・言うと思った」
 「ならなんで!」
 「・・・それは言えないし、関係ない。」
 「・・・そう。・・・志飛。最近、俺のこと避けてるでしょ。志綾は避けてないけど志飛は・・・」
 「避けてるつもりはないし、最近、僕の出るところないから・・・」
 二人の間は少し気まずい雰囲気になる。
 「ねぇ、荼泉、様。私の何がいやなの?」
 「駿河音・・・」
 「警戒心、ときなよぉ~私、怖くて泣いちゃうわ」
 「駿河音・・・どうして、どうして戻って来た!」
 「え、荼泉。知ってるのか?」
 立ち上がり少し距離をとりつつ話をして進める。
 「あったのは今日が初めて、名前だけは聞いたことがあった。だから志飛がこいつの名前を口にした時、こいつが駿河音と理解した。」
 「あは、もう君知ってたんだ。あの頑固当主はてっきり言ってないと思ってたの!に」
 「どう言うことだ」
 「さすが!伝統を守りたいからって、隠し事とは、さすが!流石だよ。要家は。ねぇ、飛綾様~。私、要家に、殺されちゃうんだぁ。見つけ次第殺せだって~」
 駿河音が志飛に言う。
 「僕が殺させない。」
 「やっさしい~さっすが飛綾様だわ。」
 荼泉が懐から銃を出す。周りにいた使い達はびっくりする。
 「荼泉。なんで」
 黧が驚いて荼泉に聞く。反応はなく、志飛の後ろにいる駿河音を見ている。
 「志飛!離れろ」
 「荼泉様には撃たせません!」
 「ッ。志綾・・・どいて!」
 「どうしたのですか?いつもの荼泉様じゃないみたいです。」
 「・・・どいて」
 「いえ、退きません。荼泉様。手が震えていますよ。荼泉様。荼泉様は人をので無理ですよ。」
  そう志綾が言った瞬間銃声が黧の家に響いた。
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