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本格的に

怖いもの

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 「な、何してるんですか!立川さん!」
 「・・・・え、」
 時計を見ていなかった。
 あの時のとあ様は時計を見て倉庫に人が来るのを待っていたんだ。私が逃げられないように・・・迂闊だった。こんなことで私の人生が終わってしまうなんってことにはさせない。
 「あ、従業員さん。おはようございます。貴方は何を見たんです・・・か?・・・・チッ」
 「あの、ショッピングモールで暴力事件が・・・目の前に犯人がいて二人の子供が傷を負っていて・・・はい、はい。」
 「ま、待ってください・・・」
 電話を耳にあてその場から逃げようとしている従業員を止めようと触れようとした瞬間「触らないでください。」と振り払われてしまった。
 私は呆然と逃げることもなく突っ立っていた。電話していた女性従業員は男の従業員二人を連れて戻って来た。
 「子供達を助けてください。」
 「君は下がってて」
 「おーい!大丈夫か?」 
 男二人がとあ様ともう一人の子に話しかける。
 「はぁ、とあ様に漢字聞けなかったなぁ」
 上を見上げる。


 数分して警察と救急車がシッピングモールに到着した。

 ちょうど雪都ゆきとが目を覚ました。気絶しているだけで外傷がないと言うことだったから雪都はパトカーで寝かされていた。起き上がると「お、起きたね。」
 「ん?どう言うこと」
 「着きしだいお話しするよ。」


 病院に着き一応検査をし異常は見つからなかった。
 志飛も病院に運ばれ治療を受けた。だがまだ目を覚さない。
 警察と雪都は志飛の病室で話を伺う。
 「どうしてあそこに居たんですか?」
 「わ、わからないの。でも志綾しあ様は迷子になった僕を見つけに来てくれたの」
 「どうしてそこに入ってしまったんですか?もう中学生ですよね?入っていいところと入ってはダメなところ分からないんですか?」
 「それは・・・」
 「分からないければ分からないでいいんだ。雪都」
 「荼泉とい様!」
 「警察の方もちゃんと調べましたか?雪都のこと。雪都、外に迎えが来てる。帰りな。」
 「迎えって?」
 「宮南瀬みなせ。」 
 「え、みなせ?みなせが来たの?珍しい~じゃあ荼泉様。またお家で」
 そう言って病室を後にした。
 「雪都はお前達に質問された『もう中学生ですよね』に頷けるわけがない。中身はまだ中学生じゃないからな。質問するならその人のことを調べてから慎重に話をした方がいい。それから雪都は何も悪くない。俺がショッピングモールで僕が雪都の話を聞いていなかった。あの時雪都は俺に「かくれんぼしよう」と言った。俺は曖昧な返事をして雪都は隠れてしまった。これが雪都が倉庫に入ってしまった理由だ。」
 「さっきは迷子になったと」
 「雪都は優しい子だ。俺を庇ってくれたんだな」
 「そうですか・・・じゃあ志飛さんについては」
 「雪都が言ってた通り雪都を迎えに行ったんだ。」
 「最後の質問です。どうして二人を殴ったりしたんですか?立川は」
 「それは俺には分かりません。」
 「そうですか。志飛さんが起きたらお話伺いますね。失礼します。」
 「あの、雪都さんに謝ってください。」
 「は?」
 「雪都さんは人一倍傷つきやすいです。貴方の発言は雪都さんにたいして強すぎです。」
 起きていたのか帰っていく警察の人に向けて志綾は言う。
 「志飛・・・起きたのか」
 「志飛さん、良かった。起きたんですね。今、看護師さん呼んで」
 「それよりも謝ってください。きっとまだ帰っていないと思いますから。貴方が善良な警察官と言うのなら誤りに言ってください。」
 「チッ。」
 「おお、早いですね。もっと年配の警察官は舌打ちをするより言葉で向かってきますが貴方はまだ入ったばかりですが・・・そうですか、たかが一般人に謝ることが出来ないほどプライドが高いとは・・・」
 「あーそうですね・・・志飛さんに聞きたいことがあったんです。どうしてあそこにいたんですか?」
 「・・・ハァ、分かりました。貴方は謝れない警察官ということで後で上の方に電話しときます。さよなら」
 志飛がそう言うと荼泉が病室の扉を開けた。


 警察官はもう一度舌打ちをしてから帰って行った。


 「無茶をするな。」
 軽く頭を叩かれる。
 「殺すよりは人望を殺したほうが立川はいいかなと思った」
 「それでもだ」
 「ごめん。心配かけて」
 「・・・本当にな」
 少しだけ泣きそうな顔をした荼泉。

 荼泉が怖いもの二個目が志飛、志綾の怪我や死だった。
 常日頃、自分の体を雑に扱う志飛を荼泉はいつか死んでしまうのではないかと内心怯えていた。
 「荼泉。ごめん。お前の怖いもの・・・知ってるのに。」

 「志飛が死んでなくて良かった」
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