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 「しずくさん。そろそろ夕飯が出来るみたいですよ。行きましょう」
 雫の手を志綾しあがひく。
 「はい」

 「雫ちゃん、何か苦手なものとかある?」
 「私は・・・」
 「遠慮しないでくださいね。」
 「じゃあ、ネギとニンジンが嫌いです。」
 嫌いなものを聞いた時茅鶴ちづるは皿に具を盛り付ける。
 「はい、どうぞ。ネギとニンジンが入っていない物ですよ。」
 「ありがとうございます。」
 「はい、志綾、夏輝斗かきと君。」
 「ありがとうございます」「ありがとうございます」
 「いいえ、」

 「そう言えば、お父様は?」
 「薫様は少し遅くなるみたいですよ。仕事が立て込んでいるとか」
 「そうなんですね。」
 
 物槨令ものかくれ 雫にとって今日の食事は豪華だった。目の前に光り輝く物があると考えてしまうほど食事に飢えていた。

 「雫さん、いっぱい食べてくださいね。」

 「うん、うん」
 「雫さん、美味しいですか?」
 「うん、おいしいよ。うん、」
 「雫ちゃん、また、食べに来てください。私の料理是非、食べに来てください。待っていますね。」


 「寝ましょう。どうぞベットを使ってください。」
 「悪いよ!私が床で寝るからさ」
 「うんん、お客さんなんだから甘えてよ。」
 「本当に・・・本当に大丈夫?」
 「うん、大丈夫ですよ。明日も、学校がありますから寝ましょう。」
 「はい」




 志飛しとは〇時に目を開けた。チラッと雫の方をみる。寝ていると確認してから部屋を出た。
 「んー!」
 廊下に出て手を上げて背中を伸ばす。
 「つなぎ。」
 「なつ。」
 階段から声がする。
 「寝ないのか?」
 「仕事。」
 「そうか。」
 「志綾だよな?」
 「今は志飛。」
 「そうか。志飛。どこに行くんだ?」
 「これから聞いてくる。」
 

 二人は家を出た。秋松は家のドアの前で待機をして志飛は黒凪くなの元に行った。
 「無事、任務をこなして来ました。次の依頼を」
 「これだ。」
 「ありがとうございます。任務が完了し次第戻って来ます。」
 
 「夏。行くよ・・・・え」
 「志飛。どこに行く気?」
 「筒夏つつな?なんで」
 「二人して廊下を歩くから、」
 「気にするな。お前が気にするようなことはしていない。寝ろ。明日も学校だろう?」
 「それは志飛だって同じだ。」 
 「僕は、僕はただ、仕事に行くだけで」
 「仕事って?」
 「ああ、もう、いい。行ってくる」
 説明を放棄して歩いて向かっていた。
 「本当に、みるのか?」
 「当たり前。」
 「まぁ良いや。自分の安全は自分で守ってね。」
 「それぐらいはやるよ」


 三人は古い病院に入って行った。

 


 本当は起きていたんだ。
 「ねぇ、全部教えてよ。志綾ちゃんのかくしてることぜーんぶ教えて」
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