越えられない壁で僕らの幸せは・・・

綾瑪 東暢

文字の大きさ
上 下
25 / 281
決意

卓椰(たくや)

しおりを挟む
 四人で南恵みなえの家に着いた。かおるがインターホンを押した。扉の奥から「はーい」と言う声が聞こえた。
 「!・・・薫。」
 「優介ゆうすけ。久しぶりだな」
 「ああ、そうだな・・・どうした?」
 「茅鶴ちづるが南恵に電話をかけたりメールをしたみたいなんだが繋がらなくてね」
 「そうだったんだ。どうぞ入って」
 ドアを押さえてくれて四人を家の中に入れた。三人は「お邪魔します」と言い中に入って行く。
 「これ、お邪魔するからお礼として」
 言う前に買ったやつを優介に渡した。優介は「ありがとう」と受けってリビングに向かった。
 「好きなところに座って」
 「あ、あの、先生は?いないのですか?」
 「君は、」
 「俺と茅鶴の娘の志綾しあって言うんだ。」
 「志綾ちゃんね。南恵は・・・」
 黙ってしまう。
 「優介?」
 「薫。少しだけ相談しても良いか?」
 「ああ、志綾達は外に
 「うんん、みんなにもよければ聞いてくれるかな?」
 「聞きます。」
 「聞く」
 「聞いてよろしいのなら」
 「ありがとう。じゃあ、みんな座って」
 「・・・南恵のことなんだけど、俺には多分志綾ちゃんと同い年か一個ぐらい違う年齢の息子がいたんだ。」
 「確か卓椰たくや君だったっけ?」
 「そう、卓椰。でも・・・
 「ちょっと待って、いたんだってことはもういないのか?」
 優介の言葉を荼泉といが遮って言う。
 「!そうなのか?」
 「実はな、まだ、卓椰が5歳ぐらいかな。その時に殺されたんだ。それも南恵の前で。それから南恵はおかしくなった。卓椰がいるように過ごしていた。」
 「心当たりがあります。先生、前に息子の話をしていました。反抗期なんだよねみたいな感じでお母様に」
 「・・・着いてきてくれ、きっとこれから見るものは辛いと思うし、子供には見せない方が良いんだろうな、」
 「俺がます確認するよ」
 「分かった。」
 薫は三人に待っているよう指示を出し優介に着いて行った。
 薫が出てきた時どこか顔面蒼白だった。
 「大丈夫ですか?お父様。」
 「あぁ。大丈夫。志綾、筒夏つつな、荼泉。見るのやめておきなさい。きっと辛いから」
 「・・・」
 沈黙が起こる。筒夏と荼泉は志綾の方を向いた。
 「志綾・・・し、しと?」
 荼泉が質問をする。
 「大丈夫。お父様。見せて。見せて。」
 「!」
 「志綾様。薫様が驚いています。」
 「初めてだからね。薫様。俺もみます。」
 「私にも見せてください。」
 「え、あ、志綾?一人称が違うし、言葉遣いも・・・え?」
 「薫様!その説明は後でするので見せてください」
 「本当に?分かった」
 三人は優介の後に着いていく。
 「電気つけるね」
 明かりが着いて部屋を見渡す。その部屋はなんの変哲もないただの子供部屋だった。でも何か異様な匂いがする。
 「ベットを見てください」
 大きい声で筒夏が言う。
 「・・・卓椰、卓椰?・・・壱竺 拓也。壱竺卓椰か・・思い出した。俺は卓椰が殺される瞬間を見た。卓椰が殺される前に卓椰に綺麗な花ってどれって質問された。」
 その言葉を聞いた優介は荼泉の肩を掴んで「犯人の顔は見た?」と聞いていた。何度も肩を揺すりながら何回も聞く。筒夏が間に入る。リビングで話しましょうと説得して部屋の外に出した。
 卓椰の部屋には色々はグッズがありアニメや漫画が好きなことがよく分かった。最後に筒夏がベットの上で見たものを三人は忘れることはないだろう。
 三人には衝撃的なものだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

僕のために、忘れていて

ことわ子
BL
男子高校生のリュージは事故に遭い、最近の記憶を無くしてしまった。しかし、無くしたのは最近の記憶で家族や友人のことは覚えており、別段困ることは無いと思っていた。ある一点、全く記憶にない人物、黒咲アキが自分の恋人だと訪ねてくるまでは────

目標、それは

mahiro
BL
画面には、大好きな彼が今日も輝いている。それだけで幸せな気分になれるものだ。 今日も今日とて彼が歌っている曲を聴きながら大学に向かえば、友人から彼のライブがあるから一緒に行かないかと誘われ……?

『これで最後だから』と、抱きしめた腕の中で泣いていた

和泉奏
BL
「…俺も、愛しています」と返した従者の表情は、泣きそうなのに綺麗で。 皇太子×従者

そんなの真実じゃない

イヌノカニ
BL
引きこもって四年、生きていてもしょうがないと感じた主人公は身の周りの整理し始める。自分の部屋に溢れる幼馴染との思い出を見て、どんなパソコンやスマホよりも自分の事を知っているのは幼馴染だと気付く。どうにかして彼から自分に関する記憶を消したいと思った主人公は偶然見た広告の人を意のままに操れるというお香を手に幼馴染に会いに行くが———? 彼は本当に俺の知っている彼なのだろうか。 ============== 人の証言と記憶の曖昧さをテーマに書いたので、ハッキリとせずに終わります。

前世が俺の友人で、いまだに俺のことが好きだって本当ですか

Bee
BL
半年前に別れた元恋人だった男の結婚式で、ユウジはそこではじめて二股をかけられていたことを知る。8年も一緒にいた相手に裏切られていたことを知り、ショックを受けたユウジは式場を飛び出してしまう。 無我夢中で車を走らせて、気がつくとユウジは見知らぬ場所にいることに気がつく。そこはまるで天国のようで、そばには7年前に死んだ友人の黒木が。黒木はユウジのことが好きだったと言い出して―― 最初は主人公が別れた男の結婚式に参加しているところから始まります。 死んだ友人との再会と、その友人の生まれ変わりと思われる青年との出会いへと話が続きます。 生まれ変わり(?)21歳大学生×きれいめな48歳おっさんの話です。 ※軽い性的表現あり 短編から長編に変更しています

六日の菖蒲

あこ
BL
突然一方的に別れを告げられた紫はその後、理由を目の当たりにする。 落ち込んで行く紫を見ていた萌葱は、図らずも自分と向き合う事になった。 ▷ 王道?全寮制学園ものっぽい学園が舞台です。 ▷ 同室の紫と萌葱を中心にその脇でアンチ王道な展開ですが、アンチの影は薄め(のはず) ▷ 身代わりにされてた受けが幸せになるまで、が目標。 ▷ 見た目不良な萌葱は不良ではありません。見た目だけ。そして世話焼き(紫限定)です。 ▷ 紫はのほほん健気な普通顔です。でも雰囲気補正でちょっと可愛く見えます。 ▷ 章や作品タイトルの頭に『★』があるものは、個人サイトでリクエストしていただいたものです。こちらではいただいたリクエスト内容やお礼などの後書きを省略させていただいています。

婚約者に会いに行ったらば

龍の御寮さん
BL
王都で暮らす婚約者レオンのもとへと会いに行ったミシェル。 そこで見たのは、レオンをお父さんと呼ぶ子供と仲良さそうに並ぶ女性の姿。 ショックでその場を逃げ出したミシェルは―― 何とか弁解しようするレオンとなぜか記憶を失ったミシェル。 そこには何やら事件も絡んできて? 傷つけられたミシェルが幸せになるまでのお話です。

サンタからの贈り物

未瑠
BL
ずっと片思いをしていた冴木光流(さえきひかる)に想いを告げた橘唯人(たちばなゆいと)。でも、彼は出来るビジネスエリートで仕事第一。なかなか会うこともできない日々に、唯人は不安が募る。付き合って初めてのクリスマスも冴木は出張でいない。一人寂しくイブを過ごしていると、玄関チャイムが鳴る。 ※別小説のセルフリメイクです。

処理中です...