今から君を守るのに理由が必要ですか・・?(仮)

綾瑪 東暢

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2人が幸せになるために

きっといつか

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 あずさは3日後施設に帰ることにした。それを智寧ともねに話すと嬉しそうに「ご馳走作らないと」と言った。







 「うん、わかった。智寧さんと七宮しちみや君によろしくって言っておいて。」
 
 スマホを机に置くと頬杖をついた委御すおがニコニコしていた。
 「何そのニヤケ顔・・」
 「えー別にぃ~。」
 そんな委御を横目にタブレットを立ち上げる。
 「何するのぉ?」
 「調べもの。」
 委御が椅子を隣に持ってきてタブレットを覗く。

 タブレットにキーボードを接続し、パソコンとして使う。
 検索欄に『柳面やなめ医薬品会社』と打ち込む。
 「柳面医薬品会社?」
 委御が読んで問う。
 「うん、百々目とどめさんが外に協力を仰いでいるって言ってたから、どんな人なのか気になるでしょ。」
 
 委御の言葉を待たずに白斗はホームページに進む。このホームページは丁寧なのか在籍している人材の名前まで掲載されていた。その中から柳面水環すわを探す・・が、名前は見つからなかった。
 「誰を探してるの?」
 「柳面水環。」
 「へぇー、苗字が一緒だから社長とかは?」
 「それは違うかな。柳面医薬品会社の社長は確か柳面ひさだった気がするよ。ほら」
 社長情報の画面に映り、委御に見せる。
 「じゃあ、こいつの息子とか?でも、研究員なら名前があって当然か・・」
 委御も一緒に考えてくれて、白斗はくとは嬉しかった。
 「・・・百々目さんはいつから柳面水環に頼ろうとしたんだろう?」
 「明日にでも呼べば?私、連れて来ようか?」
 「うんん、自分で聞きに行くよ。委御は研究員じゃないでしょ。研究員じゃないと入れないところだから。」
 「えー、白白だって研究員じゃないじゃん!」
 「わがまま言わないで。それより、委御。どこで寝泊まりしてるの?」
 「内緒~」
 委御は立ち上がり、部屋を出て行こうとする。
 「委御。あんま、自分勝手な行動は・・」
 「わかってるよ。分かってる。白白まで私を叱らないで。私を叱るのはアズアズで十分。・・・じゃあ、またね。白白はゆっくり休んで。」

 「う、うん・・・す、すお!」
 「なーに?」
 「・・うんん。・・今日はありがとう。」
 「どーいたしまして」

 委御は振り返らずに白斗の部屋から出た。


 
 「委御。ごめんね。」
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