今から君を守るのに理由が必要ですか・・?(仮)

綾瑪 東暢

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2人が幸せになるために

本心

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 「でも、びっくりした。兄さん、真斗まさとさんと乗らないっていうと思ったんだけど」

 2人が帰ったあと、白斗はくとが椅子を片付けながら言う。
 「白白~。それはアズアズの策略だよ~。」
 「え!あずさの!?」
 「気づかなかった?アズアズは木木が断らないように真真に確認取らずに話進めてたから~アズアズはすぐによろしくお願いしますって言ってたからねぇ~。」
 「・・梓のおかげで兄さんが無理する必要なくなった。ありがとう。梓。」
 「ううん。別に大したことしてないよ。」
 「まぁ、梓がしなくても委御すおちゃんがしていたよぉー」

 2人は仲が良さそうに、言い合いをする。そんな仲、白斗はため息をついた。
 「どうした~?白白。」
 「・・なんで急に来たんだろうって思って。」
 「真斗さん・・か。」
 「そう・・。僕はできれば会いたくない。今日は2人のおかげで気まずく無かったけど・・2人っきりになったらきっと・・何を話せばいいかわからない。実の父親なのにおかしいよね・・」
 「白斗。私は正直に話すと言った。だから、正直に話させて。」
 「う、うん。」
 「白斗は実の父親なのにおかしいと思ってるんだよね・・でも、白斗のこれまでのことを考えると当たり前だと思う。自分の思い通りに行かずに暴力を振るってきたのに、今更いい顔して父親になりたいというのは些か手前勝手なのでは?・・と私個人は思います。私だったらもう2度と顔を見せるなと怒鳴ると思う・・多分。白斗は優しいから・・優し過ぎるから・・・」
 梓は白斗の手を握る。
 「白斗。白斗も正直に話して。白斗はこれから、あの人のことを父親と呼べる?」
 「・・僕は・・僕・・は・・」

 「・・・黙って聞いていたけどそれって梓が呼べないって呼ばせたいだけじゃない?誘導尋問みたいだよ。」
 委御が頬杖をして真面目な顔をして言う。
 「いえ、そんな意図があるわけでは・・ごめん。白斗。・・ごめん」
 梓が白斗から離れる。
 「あ、梓・・今はまだ呼べない。僕にとってお父さんは信秋のぶあきだけだし・・でも、もしかしたら呼べるように・・なるのかも」
 「・・そう、そうだよね。今のままじゃ今後のことなんってわからないよね・・そうだ・・そうだね」
 ちょっとだけ、梓はよろめく。
 「ごめん・・変なこと聞いて。」
 「う、ううん。心配してくれてありがとう。」

 「アズアズ・・・」
 
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