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2人が幸せになるために
これからの成長のために
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直也の成長のために、あの家を出た。その成長する過程で都瀬白斗と言う足手纏いは居てはいけないと思ったから施設に戻った。直也だけが成長してくれればいいと思った。直也が成長すれば、また連れ戻してくれるとそう、あの時は考えていた。でも、最近。多くの人を見て、直也だけじゃなくて僕自身も成長していかないといけないんだと思うようになった。成長した直也の隣に成長しなかった僕は不釣り合い。そう、感じるようになった。だから、いろんな人と向き合うべきなんだとあの日、委御に教えられた。
噴水での出来事はもう2週間前。結局、梓は委御との関係を話してはくれなかった。梓は、思い出さなくていいと言った。それでも、向き合うべきと考えたらのなら、まずは委御と向き合おうとそう決めた。
otomoとは亀裂が入ったまま新作小説は出版された。
年が越し、1月に入った。
白斗はベットの上で、委御のことを思い出そうと振り返っていた。それでも思い出せるのは、売られて間も無くして委御と会った時。あの時は、疑問に思わなかったが、どこか委御は寂しそうだった。会話までは覚えてない。けれど、初めての会話だった。でも、委御はその前に会ってると言う。
(委御は初対面なのに2回目以降から僕のことを白白と呼んでいた。そのことにもあの時の僕はすんなり受け入れていた。
梓は、otomoに対して嫉妬していた。なら委御に対しても嫉妬しているから、思い出さなくていいと言った・・?)
白斗は疑問に思うべきだった部分を考える。それでも何も繋がることはない。
「・・・・『友達ってあだ名で呼び合うんでしょ?』・・・っ」
突然、無意識に口が動いた。自分の唇に触れる。
「友達ってあだ名で・・呼び合うんでしょ??」
なんでこんな言葉が引っ掛かるのかわからない。
「白白・・・」
何か、何か思い出せそうだった。
「・・・あだ名。・・・」
「しー、私は気分屋なんだ。白斗・・ううん。私はこれから白白って呼ぶ。白白?友達ってあだ名で呼び合うんでしょ?わかんない。白白は私のこと委御って呼んで。」
「・・・・・委御」
突然声がしたと思った。ドアの方を見ると壁に寄りかかって腕を組んでいる委御がいた。委御は悲しそうな表情をして、言葉続ける。
「白白。私はね、あの学校の生徒。・・そうなの?あの学校の生徒って出れないんじゃ。勝手に出てきちゃった。そんなことして良いの?うーんもしかしたらっ」
委御は息を吐く。声が変わる。泣きそうなそんなような声。
「退学かも!えっ戻った方がいいんじゃない?戻るよ。そのうちっ。でも・・・でも、・・・今はまだ・・白白とこうして喋っていたいっ・・。」
委御は泣きそうな声で、1人で会話をする。白斗は止められない。止める隙がない。
「僕はあの学校に売られるみたい。・・母親が僕を売ったって・・盗み聞いた。・・何それ最低・・。母親は、中学まで売らないって言ったけど・・・ね、委御。僕、もう誰とも離れたくない・・僕、また1人になっちゃう」
だんだん苦しそうに吐き出す。
「私はっ・・・私はっ・・・・白斗のそばにいるから・・・」
噴水での出来事はもう2週間前。結局、梓は委御との関係を話してはくれなかった。梓は、思い出さなくていいと言った。それでも、向き合うべきと考えたらのなら、まずは委御と向き合おうとそう決めた。
otomoとは亀裂が入ったまま新作小説は出版された。
年が越し、1月に入った。
白斗はベットの上で、委御のことを思い出そうと振り返っていた。それでも思い出せるのは、売られて間も無くして委御と会った時。あの時は、疑問に思わなかったが、どこか委御は寂しそうだった。会話までは覚えてない。けれど、初めての会話だった。でも、委御はその前に会ってると言う。
(委御は初対面なのに2回目以降から僕のことを白白と呼んでいた。そのことにもあの時の僕はすんなり受け入れていた。
梓は、otomoに対して嫉妬していた。なら委御に対しても嫉妬しているから、思い出さなくていいと言った・・?)
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「・・・・『友達ってあだ名で呼び合うんでしょ?』・・・っ」
突然、無意識に口が動いた。自分の唇に触れる。
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なんでこんな言葉が引っ掛かるのかわからない。
「白白・・・」
何か、何か思い出せそうだった。
「・・・あだ名。・・・」
「しー、私は気分屋なんだ。白斗・・ううん。私はこれから白白って呼ぶ。白白?友達ってあだ名で呼び合うんでしょ?わかんない。白白は私のこと委御って呼んで。」
「・・・・・委御」
突然声がしたと思った。ドアの方を見ると壁に寄りかかって腕を組んでいる委御がいた。委御は悲しそうな表情をして、言葉続ける。
「白白。私はね、あの学校の生徒。・・そうなの?あの学校の生徒って出れないんじゃ。勝手に出てきちゃった。そんなことして良いの?うーんもしかしたらっ」
委御は息を吐く。声が変わる。泣きそうなそんなような声。
「退学かも!えっ戻った方がいいんじゃない?戻るよ。そのうちっ。でも・・・でも、・・・今はまだ・・白白とこうして喋っていたいっ・・。」
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「僕はあの学校に売られるみたい。・・母親が僕を売ったって・・盗み聞いた。・・何それ最低・・。母親は、中学まで売らないって言ったけど・・・ね、委御。僕、もう誰とも離れたくない・・僕、また1人になっちゃう」
だんだん苦しそうに吐き出す。
「私はっ・・・私はっ・・・・白斗のそばにいるから・・・」
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