今から君を守るのに理由が必要ですか・・?(仮)

綾瑪 東暢

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2人が幸せになるために

正直者

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 神秘的ではない。人工的な太陽が泣いている委御すおと何を思っているか表情では読み取れない白斗はくとを照らす。この空は夜を知らない。

 人工的な太陽を作った理由は噂でしか知らない。慣れてしまったせいで疑問に思わない。

 この太陽に眩しいは存在しない。この太陽を直視しても目になんの影響もない。それでも時には太陽と月の光を浴びたいもの。


 「白斗・・」

 名前を呼ばれ、少し遅れて呼んだ方へ視線を向ける。

 「・・あずさか・・寝てたんじゃないの?」
 「寝ようと思ったんだけどotomoがうるさくて寝れなかった。だからブロックしちゃった。」
 「いつからそこにいたの?」
 「さっき来たところ」
 白斗の隣に座る。
 「ほんとに?」
 「ほんとだよ。」
 「・・・・・・ごめんね。梓とotomoは関係ないのに巻き込んで。」
 「うんん。・・・ね、正直になってもいい?」
 「どうしたの?急に」
 「薬の効果は切れて、私は白斗に素で話せるようになったけど、まだあの頃と同じで距離があると思うんだ・・」
 「そうかも・・」
 「だから、正直に本音を言いたいの。」
 「・・・言って。僕も聞きたい。」

 白斗は梓を見る。視線があって梓は恥ずかしそうに少し頬を赤らめる。

 「私、ずっとotomoに嫉妬していたんだ。」

 白斗は口を挟まず、梓の話を聞く。それが嬉しいのか言葉を続ける。

 「確かに、白斗と私が会う前からotomoはいた。でも・・姉として、1人の人として、白斗を大事にしたいと思ってる人として、私に頼って欲しかった。白斗のことを何にも知らないotomoよりも私に頼って欲しかったんだ。ジェラシー?って言うのかな?そう・・ずっと思ってた。」
 あははと笑って頬を掻く。

 「昔のotomoはもっと楽だった。小説だけの関係だった。最近は僕までも管理しようとしてくる。otomoは 鵺瀬やせ 夜丘やおかのネットの母であって僕は違う。切れればもっと楽になるけど、otomoのおかげで人気になれたって言ってもいいぐらいだから・・切れないんだ。梓は切ってもいいよ。梓。もっと頼らせて。」
 「うん!私は白斗に頼られたい。」

 梓は白斗を引き寄せ抱きしめた。

 「早速で悪いんだけどさ・・委御のことを教えて欲しい。」
 「委御さん?」
 「僕は委御といつから知り合いなの?」
 「・・・・正直に言うと、私は思い出さなくていいと思う。てか、私は思い出して欲しくない。」

 梓は正直になったことで、前よりもずっと話しやすくなった。
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