今から君を守るのに理由が必要ですか・・?(仮)

綾瑪 東暢

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2人が幸せになるために

泣きたいのは

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 「泣くのは、泣きたいのは私。どうして白白が泣くの?」

 委御すお白斗はくとの掴んでいた腕を離し、白斗の胸あたりを軽く叩いた。

 「ごめん、ごめっ・・僕は泣きたいんじゃなくて・・・」
 
 離された腕で目を隠す。

 「委御。ちゃんと思い出すから・・もう少し待ってて」
 「・・・私はいつまで待てばいいの?何回も何回ももう少し待っててって待ちくたびれたよ。」
 
 その答えに白斗は何も言えなくなった。

 「待たせてごめん、ごめんっ・・・」










 

   

 



 きっとあの2人は、大丈夫。委御さんは怒ってはいるけど白斗と話せて嬉しそう。いいな・・私もあんな風に白斗と話したい。


 物陰に隠れて、あずさは2人を見ていた。ポケットでスマホが震える。何回も何回も、何分も経たずに・・

 梓はスマホを取り出す。ロック画面に表示されるのはメールの受信。受信相手は・・『otomo』

 画面は開かず、読むが全てが白斗はどこだ。白斗を連れ戻してこいとかだった。梓はため息を吐く。こうなるとotomo はめんどくさい。
 梓は画面を開いて既読をつける。

 『夜丘やおかも忙しいの。それに夜中だからやめてちょうだい。私も寝たいの。』

 otomo のメールの通知で梓は起きた。

 『それでも夜丘に話したいことがあるの。連れてきて。』
 『otomo 。そろそろやめて。』
 『私に送ってこないで。』
 『夜丘に送っても返事がないから梓に送ってるんだよ。』

 この自分勝手なotomo に毎回イラついてしまう。白斗の仕事相手だから無碍にもできない。
 『otomo は夜丘の仕事相手。私には乾 関係ない。今後一切貴方とは連絡を取らない。』

 そう一言打って、ブロックした。

 スマホをポケットに仕舞う。

 影からひょこっと顔を出して2人の様子をもう一度見てから部屋に戻った。

 







 
      






 

 「・・白白。今度は逃がさないからね。私!待ってるから・・・白白は直也なおやを待つように私は白白を待ってるから・・来て・・」

 そう言って悲しそうな表情をして白斗から降りた。

 「ごめん・・・委御・・ごめんね」

 
 振り返りもせず、委御はそのまま白斗の前から消えた。






白斗から見えなくなった物陰で委御はしゃがみ込む。

 涙を流した。その背中は寂しそうだった。

 
 残った白斗は人工光を見上げた。
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