今から君を守るのに理由が必要ですか・・?(仮)

綾瑪 東暢

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2人が幸せになるために

夜だけど

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 「白斗はくと今日は夜更かしするの?」
 「うん」
 「分かった。これ置いておくから飲んで」

 あずさが机に置いたのはエナジードリンクだった。梓にしては珍しい。梓は白斗の健康に関しては人一倍慎重だから普段ならエナジードリンクは飲ませない。白斗は少し驚いていた。
 
 「あ、ありがとう」
 「じゃあおやすみ」
 「うん、おやすみ。梓。」

 梓はぺこっとお辞儀をして部屋を出て行った。
 薄暗い部屋にタブレットの明かりが眩しい。あと2日後にはこのお話が本になる。今は、otomoに修正してもらい、訂正していた。

 『夜丘やおか。あとここの修正もお願い。それと少しの間席を外すから読み直しておいて』
 『分かった。』

 時計の針が進む音だけが部屋で鳴っている。

 








 『お待たせ。私も読んでみるから、休憩して』
 『うん、ありがとう』

 あくびをし、時計を見ると1時になっていた。眠くなってきた白斗は梓が置いて行ったエナジードリンクを手に取り開けた。数回しか飲んだことないエナジードリンクはどこか美味しさを感じた。眠気が吹っ飛びふぅと息を吐いた。

 『うん、いいね。これなら出せる。』
 『ありがとう。やっとだね。待たせてごめん』
 『夜丘のせいじゃないよ。』
 『そう言ってもらえるとホッとするよ』
 『夜丘、前の話私諦めてないからね』
 『・・辞めて。otomoには関係なでしょ』
 『関係あるよ。私は夜丘の小説が読めなくなるなら死んだ方がマシ。夜丘には小説が書ける環境にいて欲しいの』
 『ここは別に書けない環境ではないよ』
 『でも現に書けなかったでしょ』
 『otomo・・それにここは国が管理してるから訴えたところで何も起きないよ』
 『それでも訴えてみる価値はあるはずだよ』
 『だから辞めて。otomoにはわからないけど僕はここが大切なの!2度とそんなこと言わないで。』
 『夜丘!一生このままで・・

 これ以上otomoのメールを見たくなくてタブレットを閉じた。

 エナジードリンクを飲んだせいで眠くなくなってしまった。部屋から出る。

 少し歩いていると噴水がある広場に出た。夜風が涼しい。噴水のベンチに座って人工的な太陽を見る。 

 「久しぶりに月と星が見たいなぁ・・」

 「寝れないの~?」
 噴水の向こう側から声がした。
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