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2人が幸せになるために
報告
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予想はできた。otomoは白斗から音沙汰がないと私に連絡してくる。
『梓。夜丘はどうした?』
『otomo。夜丘は大丈夫だよ。心配しないで。』
『寝てるなら起こしてくるかい?来月の出版について話したいんだ。』
そのメールの言葉を見て、既読はつけずにスマホの電源を切った。
管理施設に向かって梓は歩く。
「あ、梓様~昨日ぶりね。今日もあそこの仕事?」
「違いますよ。受付ちゃん。今日は父さんに呼ばれきたんです。」
「・・・」
受付ちゃんが気まずそうな顔をしながら頬に手を添えた。
「聞いてもいいかしら?」
「ん?」
「白斗坊は元気?」
「えぇ、とても。」
その言葉を聞いた受付ちゃんは気まずそうな顔をやめ満遍な笑みを浮かべ手を叩いた。
「それなら良かったわぁ。さぁ、入って。」
エレベーターに乗り、男高校長室に向かった。
廊下には自分の靴音だけが響く。
ドアの前に立ち、ノックをした。
「入れ」
「失礼します」
ドアを開けてはいる。
「お呼びですか?お父様。」
「梓。そこに座ってくれ。もう少しすれば弥生もくる。」
梓は言われた通りソファに座る。仕事をしている信秋を見る。するとノックの音がし、ドアが開く。
「梓。」
弥生が顔を見せた。
「弥生もそこに座ってくれ。」
弥生が座ると信秋が向かい側まで来て腰を下ろした。
「それでまずは梓に聞こう。白斗は元気か?」
「はい。」
「精神面は?」
「以上有りません。ただ・・いえ」
「ただなんだ?」
「えっーと・・不機嫌そうだったので」
「不機嫌・・」
「いえ・・きっと見間違いですね。」
梓は頷いた。
「弥生。薬はどうだ?」
「結構順調です。都瀬君の助言が助かっているよ。すごいねあの子は。」
「・・あぁそうだな。」
信秋は一瞬微笑んだ。でもいつもの強張った顔にすぐに戻る。
信秋に報告をし、梓は先に校長室を出た。ドアの前で息を吐く。
「・・・」
仕事をしに向かう。行く気にはならない。でも放置してはならない。
大きなドアを開けると。
「げっ・・」
と第一声が聞こえた。
「・・来ていたんですね。委御さん。」
「来ちゃ悪い?ここの管理はお前のはずなのに、やらないから来てやったんじゃん」
「そうですね・・ありがとうございます。」
「気持ち悪っ」
吐く真似を委御はした。
『梓。夜丘はどうした?』
『otomo。夜丘は大丈夫だよ。心配しないで。』
『寝てるなら起こしてくるかい?来月の出版について話したいんだ。』
そのメールの言葉を見て、既読はつけずにスマホの電源を切った。
管理施設に向かって梓は歩く。
「あ、梓様~昨日ぶりね。今日もあそこの仕事?」
「違いますよ。受付ちゃん。今日は父さんに呼ばれきたんです。」
「・・・」
受付ちゃんが気まずそうな顔をしながら頬に手を添えた。
「聞いてもいいかしら?」
「ん?」
「白斗坊は元気?」
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その言葉を聞いた受付ちゃんは気まずそうな顔をやめ満遍な笑みを浮かべ手を叩いた。
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「入れ」
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梓は言われた通りソファに座る。仕事をしている信秋を見る。するとノックの音がし、ドアが開く。
「梓。」
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弥生が座ると信秋が向かい側まで来て腰を下ろした。
「それでまずは梓に聞こう。白斗は元気か?」
「はい。」
「精神面は?」
「以上有りません。ただ・・いえ」
「ただなんだ?」
「えっーと・・不機嫌そうだったので」
「不機嫌・・」
「いえ・・きっと見間違いですね。」
梓は頷いた。
「弥生。薬はどうだ?」
「結構順調です。都瀬君の助言が助かっているよ。すごいねあの子は。」
「・・あぁそうだな。」
信秋は一瞬微笑んだ。でもいつもの強張った顔にすぐに戻る。
信秋に報告をし、梓は先に校長室を出た。ドアの前で息を吐く。
「・・・」
仕事をしに向かう。行く気にはならない。でも放置してはならない。
大きなドアを開けると。
「げっ・・」
と第一声が聞こえた。
「・・来ていたんですね。委御さん。」
「来ちゃ悪い?ここの管理はお前のはずなのに、やらないから来てやったんじゃん」
「そうですね・・ありがとうございます。」
「気持ち悪っ」
吐く真似を委御はした。
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