今から君を守るのに理由が必要ですか・・?(仮)

綾瑪 東暢

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2人が幸せになるために

創立者じゃない花盛

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 「えっーと・・花盛はなざかりが校長になれたのは、花盛がお父さんの身内だからです。」
 「えっ、そうなの?」
 「はい。家族ではないんですけど、その辺は色々とごちゃごちゃで。放浪していた花盛に人員不足の女高を任せようとしたそうです。」
 「ヘェ~・・じゃあ花盛校長は篠秋しのあき校長に恩があるってわけね。」
 呆れ声ではぁとため息をつく。

 「・・・それで、どうして急に?」
 「それが、噂話で花盛が女高を辞めるかもって聞いて、どうして校長になれたんだろって思ったわけ。」
 「は、はぁ・・・」
 「あ・・何かしようとしてた?」
 今気がついたのか研究員は白斗が持っているタブレットに目が行った。慌てて首を横に振る。
 「大丈夫です。」
 「そう?良かった・・」
 「他に何か聞きたいことでも?」
 「白斗はくと様と委御すおとはどんな関係なんですか!」
 目をキラキラさせて聞く。
 「何で委御?」
 「前に盗み聞いてしまったんです!白斗様と委御とは何か約束があったと。でも白斗様はその約束守れなかったんですか?」
 
 その研究員の問いかけに白斗は視線を逸らした。

 「ごめんなさい。それは答えられない。お願い、もう今日は出て行って」
 「は、はい・・ごめんなさい。白斗様。」

 そそくさと研究員は部屋を出て行った。

 タブレットを机に置き、項垂れる。

 「はあぁぁぁぁあ」

 あんなこと言うつもりなかった。笑って終わりにできた。それなのに・・どうして。

 顔を上げ、タブレットを開く。通知が来ていたことに気がついた。
 『夜丘?大丈夫?』
 「?」

 不思議に思い、すぐに返事を返す。
 『otomo?何かあった?』
 『あぁ、、びっくりしたぁ・・』
 『え?え?何?』
 『いや、さっきまでログインになってたのに急にログアウトしたからびっくりしたの。』
 『ごめんごめん。研究員の人が来て、それで』
 『そっかそっか』

 otomoと連絡が取れなくなった以降、otomoは夜丘が少しでもいないと心配するようになってしまった。これも全て白斗が最初に説明を放棄したのが影響している。
 『ごめん。otomo。次はちゃんとメッセージを残すよ。それよりアプリからいなくなるんじゃなかった?』
 『あ、いなくなっていたんだけど、心配で開いてたんだ。』
 『そっか・・』

 otomoの心配の一つになりたくはない。でも、戻れない。
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