今から君を守るのに理由が必要ですか・・？（仮）

2人が幸せになるために

聞きたいこと

　「ま、待って！待ってください。」

　百合姫ゆりひめは梓あずさを追いかける。

　「なに？」
　「教えてください。私と白斗はくと様はどんな繋がりがあるのですか？」
　「何で今更・・」
　「最近、昔のことが夢で出てくるんです。その夢には白斗様に似た声の人物がいて、顔はわからない・・でも、何か忘れているような気がするんです。白鳥しらとりさん。教えてください。私が初めて男と会ったのは七宮しちみや様ではなく・・本当は白斗様だったのではないんですか？」
　「・・私も詳しくはわからない・・前にちょことだけ教えてくれた。それは白百合と白斗が従姉妹だってこと。」

　梓のその言葉に百合姫はその場に座り込んで顔を手で覆う。

　「弘人ひろと様と智寧ともねさんを逃した時、白斗様が一瞬ショックそうな顔をしたのを私は見たんです。」

　泣きながら必死に声を繋ぐ。
　「それは・・私に忘れられたからでしょうか？それとも・・」
　「白斗は言ってた。高女にしないと約束したのに・・結局高女2位まで上げてしまったって。その時、私は白斗に言ったんだ。『高女一位じゃないのだから約束は守ってるじゃないの？』って、そしたら白斗・『でも、白百合は僕のこと忘れてるみたいだし。きっと百合姫にとって一位の方が良かったのかも・・あの時の約束はただの子供遊びの範疇。僕も忘れるべきだったのかな。』って。どうして百合姫がその時のことを忘れたのか、私は知らない。お前にとって白斗は忘れても良かった存在だってこと。・・・私は帰るから檻に戻るのか出ているのかは自分で選んで。あと、その上着。私から委御さんに返しておくよ。」


　百合姫から上着をもらい、梓はそのまま部屋を後にした。


　百合姫はその場から動かす、ただ涙を流す。




　百合姫は顔を上げ、横を見る。

　「人の不幸を見て面白いですか？」

　鼻声で問いかける。問いかけられた人物は鼻で笑い。白百合の元まで歩いてくる。

　「・・あ、貴方は」

　目の前に来た人物に見覚えがあった。

　「どうして貴方がここにいるのですか？貴方はここにいるべきではない。この子達に何をするつもりですか？」

　百合姫は叫ぶ。それでもニヤリ顔を辞めず、どんどんと近づいてくる。

　「来ないでください。どうして・・どうしてですか！」

　百合姫の言葉には一切言葉を返さない。ただ鼻で笑い、ニヤリと口角を上げるだけ。