今から君を守るのに理由が必要ですか・・?(仮)

綾瑪 東暢

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2人が幸せになるために

次の仕事、役目

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 ただ施設にいるだけじゃ落ち着かない。そんな白斗はくと百々目とどめ
 「何か手伝うことある?」
と声をかけていた。
 「都瀬みやせくん。」
 「あずさは女高の仕事に行ったし、僕も今日の分の仕事はしたから、暇で。」
 
 白斗の書いている小説はまだ書き途中だが、書き過ぎも良くないとotomo に言われため1日3ページ書けば今日は終わりと白斗の中で決めていた。そのペースなら発売予定日には間に合いそうではあった。
 百々目は都瀬を見る。

 (・・・研究について、俺は何も知らない。勉強はしたが、ただのサラリーマンには向いてなかった。改めてなぜ、俺は副所長になったのか不思議だ。この研究室には都瀬くんのような子がいた方がいいのだろう・・柳面やなめくんには後で謝っておくべきだな。)

 「百々目さん?」
 「あ、ごめん。手伝いだったね。俺の方は大丈夫だ。」
 
それを聞いた白斗は「そうですか」とため息をついてその場から離れた。

 「あ、白斗様ー」

 他の研究員に呼ばれると嬉しそうにそっちに向かって行く白斗が百々目は懐かしかった。昔の息子を見ているようだった。名前を呼ばれると嬉しそうにそっちに向かって行った息子の顔が目に浮かんだ。

 隣から名前を呼ばれて、我に戻る。

 「すまん。」
 鼻の頭を摘む。百々目はパソコンに向き直した。


















 梓の仕事は、やっぱり女高の退学になった女達の世話だ。あの場所がいまどうなっているかわからない。入るのが嫌になっていた。それでも、覚悟を決めて、扉を開けると・・・

 「え?」

 檻には女どもがいた。だけど、いつもよりおとなしく、静かだった。一つ一つ檻を見て行く。すると、ある二つの檻だけ中に居なかった。近くの檻の女に話しかけようと近づく。
 「ね、そこの2つの檻の中にいるはずの女は?」

 檻を覗くとビクッと肩が跳ねた。何かを恐れているような反応に嫌な予感がする。
何も答えてくれない女の檻の布を戻し、立ち上がる。

 奥にある部屋に向かって梓は歩き出した。



 扉を開けると、真ん中の手術台に2人が寝ていた。梓は近づくと服が布団がわりにかけられていた。その服はどこか見覚えがある。そう、私が住んでいたあの家で見かけた。2人の体を揺さぶり、起こす。寝ぼけて様子で白百合しらゆりが起きた。
 「何があった?」
 梓が聞くと、眠気が吹っ飛んだのか驚いた顔をした。
 「なぜ・・ここに、もしかして」
 キョロキョロと辺りを見渡す。
 「白斗はいない。流石に連れて来れない。」
 
 それを聞いて安心したように息を吐いた。
 「ここで何をしていた?」
 「それは・・」
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