今から君を守るのに理由が必要ですか・・?(仮)

綾瑪 東暢

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2人が幸せになるために

焦り?

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 弥生やよいの話を聞いて篠秋しのあきは校長室に置いてある子機を弥生に持ってこさせた。紙に書いてある電話番号を押して耳に受話器を持っていく。何秒か無言のまま待つ。弥生の方を見ると気になっているような表情をしていたため、篠秋は受話器をそばに置いてスピーカーを押した。そのタイミングで
 『もしもし?』
と声が聞こえた。
 「男高校長篠秋信秋のぶあきだ。」
 『篠秋様っ!どうかなさいましたか?』
 「最近、そっちの研究室に誰かが戻らなかったか?」
 『戻る?少々お待ちください。確認してきます。』

 すると、ご丁寧に曲が流れ出す。聞かせたくない話でもしているのだろうか。

 間も無くして戻ってきたが、さっきの人とは声が違った。
 『お久しぶりです。篠秋校長。』
 「お前は・・百々目とどめか。」

 声と名前に弥生の手が反応した。

 『そうです。篠秋校長。何が知りたいんですか?』
 「お前のところに誰か戻らなかったか?」
 『そんな記録はありませんよ。どこ情報ですか?』
 「・・・言い方を変えよう。そっちに白斗はくとあずさは帰ってきているか?」
 『えぇ、帰ってきていますよ。もしかして、2人ともあなたに言わなかったのですか?』

 嫌味のある言い方に篠秋はイラッとする。

 「2人と会話はできるか?」
 『残念ながら無理ですね。』
 「百々目。お前・・何をするつもりだ?」
 『昔の貴方のように。』
 「・・なんだと?」
 『あなたに私のしようとすることを止める権利ありませんよ。あなたが始めたことなのでですから。・・もしかしてそばにお孫さんいますか?』
 孫とは弥生のこと。弥生は少し遅れて
 「い、います。お久しぶりです・・百々目さん。」
 『久しぶり。弥生君。弥生君ならわかるよね?私がしようとしていること。君だってずっと願ってただろう?』
 「も、もしかして・・・」
 『そうだよ。雪を元に戻す。それをするには都瀬みやせ君の血が必要だ。分かってくれ。』

 そう言って向こう側から電話を切られた。

 「お、お祖父様・・・」

 「弥生・・そっか・・そうだな・・」



 校長室のドアがノックされた。篠秋は入れと言う。
 「お前は・・」
 篠秋が入ってきた人物に驚く。
 「ご無沙汰しています。」
 「八代やしろ真斗まさと・・・何か用か?」
 「・・・一体いつになったら・・白斗を助けに行ってくれるのですか?」


 真斗からそんな言葉が出てくるなんって篠秋も弥生も驚いた。

 「どう言う意味だ?」
 「あの子は今、貴方のせいで苦しんでる。どうして分からない。今一度、白斗を見てきた方がいい。・・・すみません。感情が昂ってしまって・・・お願いします。今の白斗を見て来てください。」

 頭を下げる真斗に篠秋は立ち上がる。

 「・・・見に行こう・・見にいくべきだ。」
とどこか焦りも見てた。


 
 
 
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