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2人が幸せになるために
体内時計
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「アズアズ、なんだかスッキリしたような顔してたな。」
研究室(家)で天井を見ながらぐるぐる回る。目が回っても委御は回り続ける。
「私もスッキリしたい」
委御は梓に言った。
『加害者が泣くにはどうすればいい?』と。委御は誰に何をしたんだろうか。
「加害者が泣くのは間違ってる。」
委御は目を袖で擦った。
「梓。」
お昼を白斗と食べる。箸を動かす手が止まっている。
「どうした?」
「・・ごめん。」
「え?」
「僕の我儘で、梓の時間使って。」
「何を謝っているの?私は白斗と一緒にいたいんだよ。逆に謝るのは私。ご飯の時と採血の時しか会いに来れなくてごめんね。」
「謝って欲しかったんじゃないよ。ただいいのかなって」
「私と食べたくない?」
「うんん。食べたい。」
「じゃあ、そんな顔しないで楽しく食べよう。私は白斗の美味しそうに食べる顔が大好きだから。」
「うん、そうだね・・ありがとう。梓。」
白斗は箸を動かした。白斗の口は口角こそ上がっているが、あまり楽しそうではなかった。そんな白斗を見て、ショックを受けながらもそれを感じさせないように、梓は微笑みながら口の中に米を運んで行った。
あるはずの味は舌では感じられなかった。
白斗達がいる研究室と直也達がいる男高では時間が違う。違うと言っても体内の時間が違う。白斗のいる場所は朝と夜の区別がわからない。時計もないため、今が何時かさえも知ることができない。でも、朝の時刻になれば、朝食が用意され、昼の時刻になれば昼食が用意され、夜の時刻になれば夕食が用意される。それを見ることで何時なのか大体わかる。それでも、曜日感覚は無くなってしまう。白斗の感覚では、まだ2、3日しか経っていないと感じている。でも、研究室を出るともうとっくに二週間は経っている。
白斗は最初にあの部屋に入った日、息苦しさに耐えられず、一週間弱別の部屋で寝ていた。それの影響。梓や他の研究員はそのことを白斗に言わなかった。寝る前に説明したことをもう一度、研究員は白斗に説明し、今の生活が始まったのだ。
白斗がいなくなっても時間だけは忙しく回る。
「直也くん。」
「八重か。」
「弘人に合わせて欲しい・・ダメ?」
「・・学校側からしたらダメって言うべきなんだろうけど・・秘密にできるか?」
「うん、」
「じゃあ、会わせてやる」
「ありがとう。」
研究室(家)で天井を見ながらぐるぐる回る。目が回っても委御は回り続ける。
「私もスッキリしたい」
委御は梓に言った。
『加害者が泣くにはどうすればいい?』と。委御は誰に何をしたんだろうか。
「加害者が泣くのは間違ってる。」
委御は目を袖で擦った。
「梓。」
お昼を白斗と食べる。箸を動かす手が止まっている。
「どうした?」
「・・ごめん。」
「え?」
「僕の我儘で、梓の時間使って。」
「何を謝っているの?私は白斗と一緒にいたいんだよ。逆に謝るのは私。ご飯の時と採血の時しか会いに来れなくてごめんね。」
「謝って欲しかったんじゃないよ。ただいいのかなって」
「私と食べたくない?」
「うんん。食べたい。」
「じゃあ、そんな顔しないで楽しく食べよう。私は白斗の美味しそうに食べる顔が大好きだから。」
「うん、そうだね・・ありがとう。梓。」
白斗は箸を動かした。白斗の口は口角こそ上がっているが、あまり楽しそうではなかった。そんな白斗を見て、ショックを受けながらもそれを感じさせないように、梓は微笑みながら口の中に米を運んで行った。
あるはずの味は舌では感じられなかった。
白斗達がいる研究室と直也達がいる男高では時間が違う。違うと言っても体内の時間が違う。白斗のいる場所は朝と夜の区別がわからない。時計もないため、今が何時かさえも知ることができない。でも、朝の時刻になれば、朝食が用意され、昼の時刻になれば昼食が用意され、夜の時刻になれば夕食が用意される。それを見ることで何時なのか大体わかる。それでも、曜日感覚は無くなってしまう。白斗の感覚では、まだ2、3日しか経っていないと感じている。でも、研究室を出るともうとっくに二週間は経っている。
白斗は最初にあの部屋に入った日、息苦しさに耐えられず、一週間弱別の部屋で寝ていた。それの影響。梓や他の研究員はそのことを白斗に言わなかった。寝る前に説明したことをもう一度、研究員は白斗に説明し、今の生活が始まったのだ。
白斗がいなくなっても時間だけは忙しく回る。
「直也くん。」
「八重か。」
「弘人に合わせて欲しい・・ダメ?」
「・・学校側からしたらダメって言うべきなんだろうけど・・秘密にできるか?」
「うん、」
「じゃあ、会わせてやる」
「ありがとう。」
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