今から君を守るのに理由が必要ですか・・?(仮)

綾瑪 東暢

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2人が幸せになるために

こんな涙脆かったけ?

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 ただ1人。何もすることがなく僕はぼーっとするだけ。それなのに目からは涙が出てくる。
 「こんな涙脆かったけ?」
 僕は何度も目を擦る。何も感じてないし、何も考えてないのに涙がでてくる。
 
 














 「こんな時間まで白白を1人にして平気?」

 委御すおの部屋で時間を確認する。時計の針は12時を指していた。
 「・・そろそろ帰ります。お邪魔しました。委御さん。色々話してくださりありがとうございます。」
 「まぁ、なんか恥ずかしいところも見られちゃったし、白白には言わないでね。」
 「はい私達だけの秘密ですね。」

 あずさはお辞儀をして委御の部屋と称されていた研究室を出た。

 「あっ、そう言えば・・白斗はくとの血を何に使うのか聞き忘れてしまった。まぁまた後で聞けばいい。」
 梓は振り返り、研究室をちらっと見た。
 「うん、」
 頷いて、駆け足で白斗の場所まで戻った。その時の表情はとても和やかな笑顔になっていた。


















 「今日の体調は?」
 「大丈夫です。」
 「それはよかった。それで、期末どうだったんだ?」

 直也なおや直木なおきがリビングで向かい合って座っていた。

 「直木さんと白斗のおかげで・・良かったです。ちゃんと1位になれましたし・・ありがとうございます。」
 
 その言葉を聞き直木は無言で直也に立ち上がり、頭に手を置いた。
 「よく頑張った。」
 「はいっ!」

 褒めてもらったことに無意識に嬉しくなって涙がでそうになった。もう泣かないと言った直也は鼻を啜って涙を引っ込めた。

 「直木さん。もう白斗がいなくなって経ちましたが、白斗はどんな感じなんですか?」
 「悪いな。俺に白斗の状況は入って来ないんだ。」
 「そう・・ですか。」
 「何かあったらちゃんと報告するから。お前は勉強に励め。」
 「はい・・」

 直木は直也から手を離し、椅子に座り直す。

 「・・他に聞きたいことはあるか?」
 「いいえ。大丈夫です。」
 「そっか。じゃあ、俺から一つ質問いいか?」
 「・・なんですか?」

 どこか恥ずかしそうな顔をしている直木に直也は少しだけ笑いそうになった。
 「そ、そうだな・・えっーと。お前は・・・俺が・・兄っ・・」
 言葉を言いかけた直木だったが立ち上がって
 「もういい。辞める。俺は帰るから。また何かあったら電話してくれ。」
 「えっ、えぇー」

 直也は止めるも直木は何も言わずに家を出て行った。
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