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2人が幸せになるために
あの頃の白斗を救った人物
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委御は語る。
白斗が委御と会ったのは白斗が8歳の時。委御が11歳。
委御は元女小生徒。女小生徒の中でも一番の問題児だった。
委御は女小の中で体格も良く、運動神経が人一倍すごかった。そんな委御はある日の秋頃、女小の敷地から外に出た。そんなことがあり、委御は女小から退学という形になった。
委御はその外で白斗と会った。
1人、下を向きトボトボ歩いていた白斗を揶揄うつもりで声をかけたんだ。初対面のはずだったが、委御は白斗に惹かれた。
「・・ね~。なんで1人なの?」
初めこそなんだこいつと言った目を委御に向けていたが、また下を向き委御を追い越そうと歩き出した。そんな白斗の前に委御は立つ。
「・・誰?」
「私?私はね。荻委御。君は?」
「僕・・は都瀬白斗。なんで僕に話しかけるの?」
「ん?面白そうだったから。」
目の前の委御はあの頃の白斗にとって初めて会う不審者だった。
「・・・なんで1人なの?」
同じ質問を白斗に投げかける。
「そんなこと知ってどうするの?」
「ね、白斗。」
質問の答えは返さない。知った名前を口に出す。
「君は、あの学校に入らない?」
ここから斜め前を見上げれば、女高、男高の管理施設が見える。白斗は顔を上げた。
「僕には無理だよ。」
「なんで?」
「僕にはあそこに入る資格がない・・。」
その言葉をいい、足を動かし、委御を通り過ぎようとした。その瞬間腕を掴まれる。
「・・なに?」
「叫ばないんだね。助けてって」
「助けを呼んだところで・・僕を助けてくれる人はもういないから。」
「・・・・ね、私と友達になって。」
「え?」
委御のその発言に白斗は驚いた顔をした。
「友達じゃなくても良いよ。なんなら君の下っ端になってあげようか?」
「なんで?なんで僕に構うの?」
その質問に委御は人差し指を立て、唇に近づけた。
「しーだよ。私は気分屋なんだ。白斗・・うんん。私はこれから白白って呼ぶ。」
「白白?」
「友達ってあだ名で呼び合うんでしょ?」
「わかんない。」
「白白は私のこと委御って呼んで。」
その日の関係。ただの気まぐれ。ただの不審者。
白斗は意味がわからないまま、委御と友達・・委御が下っ端になった。
次の日、委御は昨日と同じところで白斗を待っていた。
「白白~」
「す、委御。」
委御は手を振る。
2人は並んで歩く。その途中で公園を見つけ、ベンチに委御が座る。
「白白。私はね、あの学校の生徒。」
「・・そうなの?あの学校の生徒って出れないんじゃ」
「勝手に出てきちゃった。」
「そんなことして良いの?」
「うーん、もしかしたら退学かも!」
「えっ、戻った方がいいんじゃない?」
その言葉に心配と寂しさが滲んでいるのに委御は気が付いている。
「戻るよ。そのうち。でも、今はまだ白白とこうして喋っていたい。」
どこで寝泊まりしているのかはわからない。でも、委御と白斗の交流は10日間続いた。
「・・・」
11日目の白斗はいつもより落ち込んでいるような、泣いているのかと思うぐらい暗い。
「何かあった?」
「あっ、委御・・」
委御がいたことにもきがつかないほど何か考え込んでいる。
「・・・聞いてくれる?」
「うん。」
いつも通りあの公園のベンチに座る。
「・・・今日ね、学校の昼休みに校長先生に呼ばれたの。そこでね・・」
白斗が委御と会ったのは白斗が8歳の時。委御が11歳。
委御は元女小生徒。女小生徒の中でも一番の問題児だった。
委御は女小の中で体格も良く、運動神経が人一倍すごかった。そんな委御はある日の秋頃、女小の敷地から外に出た。そんなことがあり、委御は女小から退学という形になった。
委御はその外で白斗と会った。
1人、下を向きトボトボ歩いていた白斗を揶揄うつもりで声をかけたんだ。初対面のはずだったが、委御は白斗に惹かれた。
「・・ね~。なんで1人なの?」
初めこそなんだこいつと言った目を委御に向けていたが、また下を向き委御を追い越そうと歩き出した。そんな白斗の前に委御は立つ。
「・・誰?」
「私?私はね。荻委御。君は?」
「僕・・は都瀬白斗。なんで僕に話しかけるの?」
「ん?面白そうだったから。」
目の前の委御はあの頃の白斗にとって初めて会う不審者だった。
「・・・なんで1人なの?」
同じ質問を白斗に投げかける。
「そんなこと知ってどうするの?」
「ね、白斗。」
質問の答えは返さない。知った名前を口に出す。
「君は、あの学校に入らない?」
ここから斜め前を見上げれば、女高、男高の管理施設が見える。白斗は顔を上げた。
「僕には無理だよ。」
「なんで?」
「僕にはあそこに入る資格がない・・。」
その言葉をいい、足を動かし、委御を通り過ぎようとした。その瞬間腕を掴まれる。
「・・なに?」
「叫ばないんだね。助けてって」
「助けを呼んだところで・・僕を助けてくれる人はもういないから。」
「・・・・ね、私と友達になって。」
「え?」
委御のその発言に白斗は驚いた顔をした。
「友達じゃなくても良いよ。なんなら君の下っ端になってあげようか?」
「なんで?なんで僕に構うの?」
その質問に委御は人差し指を立て、唇に近づけた。
「しーだよ。私は気分屋なんだ。白斗・・うんん。私はこれから白白って呼ぶ。」
「白白?」
「友達ってあだ名で呼び合うんでしょ?」
「わかんない。」
「白白は私のこと委御って呼んで。」
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白斗は意味がわからないまま、委御と友達・・委御が下っ端になった。
次の日、委御は昨日と同じところで白斗を待っていた。
「白白~」
「す、委御。」
委御は手を振る。
2人は並んで歩く。その途中で公園を見つけ、ベンチに委御が座る。
「白白。私はね、あの学校の生徒。」
「・・そうなの?あの学校の生徒って出れないんじゃ」
「勝手に出てきちゃった。」
「そんなことして良いの?」
「うーん、もしかしたら退学かも!」
「えっ、戻った方がいいんじゃない?」
その言葉に心配と寂しさが滲んでいるのに委御は気が付いている。
「戻るよ。そのうち。でも、今はまだ白白とこうして喋っていたい。」
どこで寝泊まりしているのかはわからない。でも、委御と白斗の交流は10日間続いた。
「・・・」
11日目の白斗はいつもより落ち込んでいるような、泣いているのかと思うぐらい暗い。
「何かあった?」
「あっ、委御・・」
委御がいたことにもきがつかないほど何か考え込んでいる。
「・・・聞いてくれる?」
「うん。」
いつも通りあの公園のベンチに座る。
「・・・今日ね、学校の昼休みに校長先生に呼ばれたの。そこでね・・」
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