今から君を守るのに理由が必要ですか・・?(仮)

綾瑪 東暢

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2人が幸せになるために

懐かしい場所と思い出

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 ここは知ってる。懐かしさに白斗はくとは当たりをキョロキョロ見渡す。

 (あの頃と何も変わってない・・2年しか経ってないから当たり前か。)

 ここで白斗は白鳥しらとりに、直木なおきにあった。

 



















 緊張しているのか大きな背中に隠れた。そんな子供に優しい声が『大丈夫だ』と声をかける。恐る恐る前に出た子供。そこに大勢の子供が集まってきた。
 『新しい子だ~』
 『ねね、お名前は?』
 そんな子供達を目の前にした子供は『えーっと、えっーと』となんと言えばいいのか迷っていた。優しい声の人が『名前』と一言呟く。
 『みやせはくと。』
 『はくとくん!』
 目の前の子供ははくとの手を握った。
 『私、しらとりあずさ。よろしくね』

 『白斗。彼女は白斗の世話係になる子だよ。白斗の2人ぐらい上かな。』

 『はくとくんに会うの楽しみにしてたの!』

 あずさははくとの手を握ったまま笑顔をになる。そんなあずさにはくとの緊張も落ち着いた。他の子達の名前を聞く。はくとの目に奥にいるある子供が目に入った。もう緊張していない。はくとはその子のところに行く。

 『僕はみやせはくと。君は?』
 まさかくるとは思っていなかったのか顔には驚いた顔が浮かぶ。
 『えっーと・・しのあきなおき。』

 そこに優しい声の人が側まで来た。
 『白斗。彼ははくとの兄だよ。』
 『兄・・』
 『兄は弟の願いを叶えてくれる存在。それを忘れないで。白斗。』

 優しい声なのに、とても冷たいセリフ。


 『梓、直木。白斗をよろしくな。』

 2人は声を揃えて『はい』と言う。
















 懐かしい情景を思い出して小さく笑う。小さい頃は梓と直木の役目なんって気にしてなかった。でも今こう考えると2人には無理をさせていたことにも気がついた。

 思い出にふけながら真っ直ぐ前を歩いた。

 遠くに人影が見える。その人影は白斗が見えるとお辞儀をした。

 「ご足労感謝します。こちらにどうぞ。」

 自動ドアを通る。

 「ここの使い方は覚えていますか?」
 「はい。でも改めて説明してもらってもいいですか?」
 「大丈夫です。まず、初めてに朝、昼、晩と真ん中の機械を使い、採血をしてください。合計6mlの血を頂戴いたします。こちらの部屋はベットになっています。採血が終わり次第好きに使って構いません。」
 一つ一つ丁寧に説明してくれる。

 真ん中の装置は採血

 左側の手前の部屋は寝室

 左側の奥の部屋は朝、昼、晩の食事をする部屋

 右側の手前の部屋は浴室

 右側の奥の部屋はお手洗い

となっている。

 「そして、ここにいる間の侍女は白鳥梓さんです。」

 別の入り口から研究室の服を着た梓が入ってきた。

 「よろしくお願いします。白斗様。」

 離れていた少しの時間でも白鳥の顔を見たことで白斗はホッと息を吐いた。


 
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