今から君を守るのに理由が必要ですか・・？（仮）

2人が幸せになるために

もっと頑張らないと

　部屋に戻った直也なおやだが、机に向かう。そう、間近にある期末テストの勉強のため。
　机に向かう直也は頭を抑えた。昨日から勉強が捗らない。ずっと頭にあるのは白斗はくとのこと。そんな自分がイラついてしまう。

　（俺が、白斗を養っていかないといけないのにこんなので・・どうする）

　直也が学年1位から下がるようなことがあれば、白斗に不安を持たせてしまう。そんなことはさせない、させたくない。白斗には安心してこの家にいて欲しい。それを叶えるためには直也が1位を維持する必要がある。

　（もっと、もっと勉強しないと・・このままだと。）

　不思議なことに、勉強ノートに染みがつく。ポタポタと慌てて拭こうにも髪が汚くなるだけ。

　（・・・もうやだ・・）


　こんな自分、白斗にも白斗以外にも見せられない。こんな自分知らない。こんなことになるなら

　白斗と会いたくなかった






　そんなふうに思ってしまったことに直也は余計胸が苦しくなる。

　（俺が・・俺が会いたくて今まで頑張ってきたのに、なんで・・なんで。）

　わけがわからない。自分はずっと白斗といたいと願っているのに・・考えがおかしくなる。白斗と一緒にいたいって・・思ってるのに。

　（元に戻りたい）

　白斗がいなかった生活に戻りたい・・









　


　おかしくなりそうだ・・・・・





















　僕も気がついていた。直也が精神的に追い詰められていると。それでも直也ならと言い訳を自分でしてきた。直也は強いから・・直也はっ。

　直也に横に入れて僕はもう幸せになれた。直也で良かった。直也じゃなかったら僕はもうこんなに泣けなかったから。

　「梓あずさ。僕。戻るよ。研究施設に。」

　それが直也を守る一番の解決法だ。僕がいなくなれば直也は、元気になる。僕がいると直也はボロボロになっていく・・そんな直也を僕は見てられない。僕も直也も幸せになる方法。それは僕がこの家から出ていくこと。そして2度と会わないこと。

　梓はなにも言わない。少しだけ、期待したのかもしれない。自分はここにいるべきだと言ってくれるのを。


　僕はあるべきところに帰らないと。