今から君を守るのに理由が必要ですか・・?(仮)

綾瑪 東暢

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終わった?

心配する方とされる方

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 「校長先生。一つ質問してもいいですか?」
 直也なおやが小さく手を上げて言う。
 「なんだ?」
 「白斗はくとに聞くに聞けなくて・・てき委御すおって白斗とどんな関係なんですか?」

白斗に委御から襲われかけたと聞いた。なんだか直也は白斗が襲われかけることに慣れてしまっている。それを報告する白斗はしゅんとしていて怒る気にもなれなかった。

 「荻委御か・・」
 信秋のぶあきはまたため息をつく。
 「お父様・・。」
 心配そうにあずさが呼ぶ。

 「あの時、侵入者が入った時、白斗の側には委御がいたな。侵入者の件で忙しくて委御のことを言い忘れていた。・・・梓。どうして彼女は戻ってきたと思う?」
 信秋は梓に質問をする。梓はえっーとと言って考える。
 「神瀬かみせ。委御はもともと女高の生徒なんだ。委御は在籍の時急に姿を消した。委御が女中だった頃だったかな。」

 「本来、女高も男高も敷地外に出ることは校則違反だし、塀の周りには複数の男女警察が立っているから塀を越えるのは無理なはず。それでも彼女は塀を乗り越え、敷地外に出た。その時点で生徒ではなくなる。」
 梓が補足説明を付け足して話す。
 「災厄なことが起こんなくてよかったよ・・ほんと」
 信秋の顔には疲れが浮かんでいる。
 「お父様。私が説明するから休んで?薬の副作用があるのでしょう?」
 「梓。気にするな。」
 「でもっ・・最近お父様。薬服用してないみたいだし。お父様が倒れては男高は機能しない。だから、休んで。お願い。」
 梓は手を握り懇願するように言う。

 「梓・・いまはそんなこと言ってる場合じゃ。花盛はなさがりが機能不要な今休むわけにはいかんのだ。」


 「お父様・・・」

 悲しそうな梓の声に信秋は目を背ける。
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