今から君を守るのに理由が必要ですか・・?(仮)

綾瑪 東暢

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終わった?

白斗が一番

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 「受付ちゃん~」
 はつが受付に近づきながら叫ぶ。
 「あら、今日は珍しい方に会うわぁ」
 「誰にあったの?」
 「そうね、特に珍しかったのは白斗はくと様ね。」

 後ろを向いた葉が直也なおやにほらと言うようにウィンクをした。

 「白斗君がどこに行ったかわかる?」
 「ごめんなさい。どこまで行ったかはわからないわ。でもここの施設にはもういないわよ。篠秋しのあき坊にあって行く?」
 「お願いしてもいい?」
 「任せて~」

 受付ちゃんは待っててねーと言って電話を取り出す。

 「もっしもしー篠秋坊いる?変わって・・・・久しぶり~。今受付にお客さんいるんだけど大丈夫?うん、じゃあ案内しちゃうね。バイバイー」


 「お待たせ。仕事しながらでいいなら話聞くってさ~。」
 「ありがとう。」
 「ねー、葉様。後ろの子って」
 「あれ?会ったことなかった?」
 「うーん。ないようなあるような。」
 「白斗の婚約者神瀬かみせ直也です。」

 目の前の受付ちゃんは腕を組んでうーんと唸る。

 「受付は知らないはずだよ」
 そこに別の漢が来た。
 「だってアタシが相手したから。」
 「あぁ、そう言うことね。」

 長くなりそうだったので直也と葉はその場を後にする。

 「受付の人って」
 「あの人達は全員兄弟。しかも全員同い年。」

 それ以上は聞くべきではないと判断して歩くスピードを上げた。






 「入れ」

 ノックをすると篠秋の声が聞こえた。
 「失礼します。」
 「なんだ、お客さんっていうのはお前達か。」
 「校長先生。」
 「どうせ、白斗のことだろ?」
 「は、はい。」
 「あずさ。」

 篠秋が名前を呼ぶと隣の部屋から梓が出てくる。
 「梓ちゃん。」
 「直也様。葉様。」
 「白斗がどこにいるか知りませんか?帰ってこなくて」
 「お父様・・。」
 それは初耳だと梓も篠秋も顔を上げた。
 「梓。」
 「・・白斗はお昼前に高女1位桜紅さくらもみ夕姫ゆうひめのお宅に行きました。私は他にも仕事があったため途中で別れたのでそのあとは私も知りません。お父様。行ってきてはダメですか?」
 「・・・一般生徒には知られたくはないんだがな。」
 篠秋は直也を見る。

 「校長先生。俺は生徒やめてもいいです。白斗が戻ってきてくれるなら。秘密だって守ります。俺が大事なのは白斗だから・・だから、どうか俺も一緒に連れて行ってください。」
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