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終わった?
彼女に、彼女を
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百合姫天乃は1位桜紅夕姫のことを知らないようだった。それでも篠秋信秋は1位との連絡係と言った。
百合姫の部屋を片付けに入った清掃員。
「・・・・」
二人係で百合姫の部屋を掃除する。1人だけ何回も帽子を深く被り直している。作業をしながら何回も何回と帽子を下に下げる。もう片方は気にしてなさそうに手際よく勧める。
百合姫の棚の引き出しを開けた1人がコソコソやる。
百合姫はもうこの学校の生徒ではないから盗みは黙認される。気づいていても何も言わずに片付けを終わらせた。
「では」
初めてこの清掃員は言葉を発した。帽子を気にしていた清掃員はお辞儀をし、別方向に向かっていった。
「お待たせしました。」
男高の校長室に篠秋弥生が入ってきた。
帽子を外し、首を横に振る。
「ハァ・・バレるかドキドキだったよ。お祖父様。無茶言わないで」
「無茶ではなかったじゃないか。それで?」
「ちゃんと持ってきたよ。それに盗んでもお咎めなしなんって」
「生徒じゃない者の物まで守るギリなんってないか」
「・・・」
弥生が信秋にポケットに入れたものを渡す。
「手紙か。」
「うん。」
輪ゴムで一つになっている数枚の手紙を一枚ずつ机に並べる。日にち順に。
「始まりは百合姫が2位になった日からだな。4月5日。まずは弥生が読んでみろ。」
「うん。」
手紙を開く。
「女高、高女おめでとう。2位の百合姫天乃。これから貴方が2位から降りるまでの間私と文通してもらうよ。反抗は認めない。4月10日までに返事をくれ。10日過ぎたら私から送ろう。文通がしたいだけより」
手紙を閉じる。信秋に手紙を渡した。
「1位だって言ってないのか。」
「そう見たい。」
弥生は次の手紙を見る。
「これは4月15日の。手紙の返信ありがとう。2位のお前から花盛に伝えてもらいたいお知らせがあるんだが頼まれてくれるな。この手紙を見せるといい。で終わってる。」
「もう一枚入ってないか?」
封筒を開けるとなんだかパキパキの紙を見つける。
「水に濡れてたんだな。」
「水にいると文字が浮かび上がる方法・・。面白いな」
それから百合姫が辞めるまでの手紙を2人は読んだ。それとなく、雑談が多いように見えた。
「楽しそうに会話してるな。」
「・・実際楽しかったんだろう。だんだん日付の間隔が短くなってる」
「5日起きが2日起き・・。」
百合姫は寂しかったんじゃないのかと弥生は一瞬思った。
「彼女は、これからどうなのかな・・彼女に」
彼女に、彼女を救える王子様が現れるといいけど。
百合姫の部屋を片付けに入った清掃員。
「・・・・」
二人係で百合姫の部屋を掃除する。1人だけ何回も帽子を深く被り直している。作業をしながら何回も何回と帽子を下に下げる。もう片方は気にしてなさそうに手際よく勧める。
百合姫の棚の引き出しを開けた1人がコソコソやる。
百合姫はもうこの学校の生徒ではないから盗みは黙認される。気づいていても何も言わずに片付けを終わらせた。
「では」
初めてこの清掃員は言葉を発した。帽子を気にしていた清掃員はお辞儀をし、別方向に向かっていった。
「お待たせしました。」
男高の校長室に篠秋弥生が入ってきた。
帽子を外し、首を横に振る。
「ハァ・・バレるかドキドキだったよ。お祖父様。無茶言わないで」
「無茶ではなかったじゃないか。それで?」
「ちゃんと持ってきたよ。それに盗んでもお咎めなしなんって」
「生徒じゃない者の物まで守るギリなんってないか」
「・・・」
弥生が信秋にポケットに入れたものを渡す。
「手紙か。」
「うん。」
輪ゴムで一つになっている数枚の手紙を一枚ずつ机に並べる。日にち順に。
「始まりは百合姫が2位になった日からだな。4月5日。まずは弥生が読んでみろ。」
「うん。」
手紙を開く。
「女高、高女おめでとう。2位の百合姫天乃。これから貴方が2位から降りるまでの間私と文通してもらうよ。反抗は認めない。4月10日までに返事をくれ。10日過ぎたら私から送ろう。文通がしたいだけより」
手紙を閉じる。信秋に手紙を渡した。
「1位だって言ってないのか。」
「そう見たい。」
弥生は次の手紙を見る。
「これは4月15日の。手紙の返信ありがとう。2位のお前から花盛に伝えてもらいたいお知らせがあるんだが頼まれてくれるな。この手紙を見せるといい。で終わってる。」
「もう一枚入ってないか?」
封筒を開けるとなんだかパキパキの紙を見つける。
「水に濡れてたんだな。」
「水にいると文字が浮かび上がる方法・・。面白いな」
それから百合姫が辞めるまでの手紙を2人は読んだ。それとなく、雑談が多いように見えた。
「楽しそうに会話してるな。」
「・・実際楽しかったんだろう。だんだん日付の間隔が短くなってる」
「5日起きが2日起き・・。」
百合姫は寂しかったんじゃないのかと弥生は一瞬思った。
「彼女は、これからどうなのかな・・彼女に」
彼女に、彼女を救える王子様が現れるといいけど。
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